【暴露】FXで8割のトレーダーが負ける原因を教えます!知らないと人生損する心理学

今回は、質問箱にいただいた質問にお答えする動画を撮ろうと思います。
今日皆さんと共有したい質問はこんな感じのやつです。
読みますね。
「1日に5%もドローダウンすると、すごく凹みますが、1日に5%儲かっても大して嬉しくありません。おかしいでしょうか?」
こういう質問をいただきました。ありがとうございます。
これに対して、Twitterの中でも返答しているんですけど、どう答えたかというと、
「普通です」
と答えました。
これ見て、「すっげー雑だなこいつ」って思ったかもしれないんですけど、
これはね、逆です。
ちゃんとお答えしたかったので、Twitterの中では字数が足りないと思ったので、「結論だけを述べさせてもらった」って感じなんです。
結論としては、「普通です」。
「おかしいでしょうか?」という質問に対して「普通です」という風に答えたんですが、ある損失額と同額の利益額を比べた時に、どっちの方が自分の心に対して波風を立ててくるかというと、これは損失の方なんですよね。
このことは行動経済学者の人達が説明してくれています。
行動経済学というのは、1970年代に盛り上がり始めた学問なんですけど、その中の本当に中心となっている学者が2人いて、その2人というのが、ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーという人です。
その人達が「プロスペクト理論」を提唱。この理論、名前だけだったら聞いたことがある人は沢山いると思うんですけど、この理論が2000年代にノーベル経済学賞を取ったりするんですけどね。
そのノーベル経済学賞を取ったような理論の中に、今日いただいたこの質問に対する答えというのが入っているんです。
ですから、そのプロスペクト理論という観点から今日の質問に対してお答えしていくのが、この後の動画の内容になります。
話の内容が結構抽象的で複雑なんですよ。
なのでここから先はスライドを用意したので、スライドを一緒に見ながら説明していきたいので、モニター見ていきましょう。
それでは、付いてきてください。
プロスペクト理論における価値関数グラフ
はい、それではキャプチャーを使って話をしていきます。
スライドの上のところに
「プロスペクト理論における価値関数グラフ」
と書いてあります。
このグラフを使って説明をしていこうと思うんですが、こういうグラフを見るとアレルギーが出ちゃう感じの人も多分沢山いると思うんですけど。
これ、丁寧に見ていけば絶対分かります。分かると面白いです。
ですから、頑張って付いてきてください。なるべく丁寧に説明していきますので。
こういうグラフを見た時に大事なのが、
まず「縦軸が何か」「横軸が何か」というのをちゃんと確認することです。
今回、横軸から見ようと思うんですけど、横軸は左側に「損失」・右側に「利益」って書いてありますよね。
これ、自分のトレードと重ね合わせてもらえば良いかなと思うんですけど、右に行く程、利益が大きくなって、左に行く程、利益が小さくなって、ここから損失になって、損失が左に行くほど大きくなって…という、そんな感じの横軸になっています。
で、縦軸は上に精神的価値「高」、下に精神的価値「低」っていう風に書いてあります。
ちょっと難しそうな言葉が書いてあるんですけど、
要するにこれは、上に行くほど嬉しい・下に行くほど悲しい、という風に置き換えてもらえれば良いと思います。
何か、教科書みたいなのを見ると、こういう「精神的価値」みたいな感じで書かれちゃっているんですけど、要するに「嬉しい」「悲しい」という話です。上に行くほど嬉しい・下に行くほど悲しい、ってことですね。
こんなグラフがある中で、実際に人間の心はどういう風に動いていくかというと、「この曲線の上を動いていきますよ」ってことですね。
これ、途中で色を変えてあるんですけど…かえって見辛かったかな?
一本線です。一本線なんですけど、こっち側が損失側ということで青くして、こっちが利益側ということで赤くしてみました。
そんな線の上を心は動いていくよ、という…そういうグラフですね。
このグラフを通じて皆さんにお伝えしたいことが、3点あります。
ここに書いてありますよね?
書いてある3個のトピックを使って、それぞれもうちょっと丁寧な解説をしていこうと思います。
1.自身の損益分岐点をリファレンスポイントにして価値判断を行う
早速1つ目の話をしていくんですが、まず、人間は「自身の損益分岐点をリファレンスポイントにして価値判断を行う」という性質があります。
リファレンスポイントというのは、日本語にすると「参照点」あるいは「基準点」みたいな感じに置き換えても良いかもしれないですね。
グラフで言うと、真ん中の点がリファレンスポイントです。
これは、トレードであれば、自分がポジションを立てたところです。エントリーしたレートです。ここを基準にして価値判断を行う。
さっき、「価値というのは嬉しい・悲しいに置き換えればいいよ」という話をしたので、要するにこの自分がポジションを立てたところというのが、嬉しい・悲しいの分岐点になるんだよ、ということですね。
それを押さえておいてください。
この1の説明の中で、もう1つ大事なところがあって、「自身の」って書いてありますよね?
「自身の」と書いてあるということは、「このリファレンスポイントというのは人によって違うんだよ」ということ。
トレードしていて分かりますよね。
皆一緒のところで買いませんよね?
皆一緒のところで売りませんよね?
皆、好きなところで売っているわけです。
それぞれバラバラに買ったり売ったりしているポイント、ポジションを立てたポイントというのがそれぞれのリファレンスポイント、嬉しい・悲しいの分岐点になるんだよ、ということがここで言われているわけです。
これが1点目です。
2.利益による価値増加感よりも、損失による価値喪失感のほうが大きくなる
ここを出発点にして、2点目なんですけれども、性質としてあるのが「利益による価値増加感よりも、損失による価値喪失感のほうが大きくなる」ってことが書いてあります。
これが、今回の質問に対する答えに直結する部分なので、あえて文字を赤くして書いているんですけれども。
先程から言っている通り「価値増加感」って、「嬉しさが増える感じ」ということです。
「価値喪失感」というのは「嬉しさが減る」「悲しくなる」ということです。「悲しくなる感じが大きくなる」って書いてあるんです。
「利益によって嬉しくなる割合よりも、損失によって悲しくなる割合の方が大きくなるよ」
ってことが行動経済学のプロスペクト理論から言われています。
グラフの方にも目を移してもらいたいんですが、このグネグネの線です。
このグネグネの線、利益が出れば出るほどこの嬉しさというのは上がっていくんです。損失が出れば出るほど悲しさというのは増えていくんです。
この嬉しくなり具合と、悲しくなり具合、比べて欲しいんですけど、傾き方が同じではないですよね?
こっちの方がより急じゃないですか?
分かりますかね、この…。
僕、もうちょっと分かりやすく極端に書いてもよかったなあと思うんですけど…青い線の方が傾きが急なんですよね。
人間の心って、こういう風に動くんです。
損失に対して「悲しい」と思う割合の方が、利益に対して「嬉しい」と思う割合よりも大きくなる
っていう風に出来ているわけですね。そのことがこのグラフからも分かる、ということなんです。
このことから、質問箱に対しては「普通です」「これは人間の性質として普通なんだよ」ということを言っていたわけです。
だからもちろん僕もそうですし、この動画を見ているほとんどの人はそうだということです。
その質問箱に質問を送ってくれた人が特殊なわけではないんだよ、ということを書いたわけですね。
3.利益方向・損失方向ともに限界感応度は逓減する
次に3番目なんですけど、3番目は「利益方向・損失方向ともに限界感応度は逓減する」という風に書いてあります。
ちょっと難しそうな言葉があるのでちゃんと解説しようと思うんですけど。
これ、経済学の教科書のワードを一応そのまま持って来ているので、簡単な言葉に置き換えると、まずこれ、「逓減=ていげん」と読みます。
これは「段々減ります」という意味です。
「限界感応度」、「感応度」は大丈夫ですよね? 何かこう、物事に対しての相関性というか、反応の度合いということですね。「限界」というのは、何かが1つ単位が増えた時に、もう1つの単位がどれだけ増えるか・減るか、ということを表す経済学の用語です。
英語では「Marginal」って言うんですけど、これを日本に輸入する時に「Marginal」に対する適切な日本語が見付からなくて「限界」という言葉が使われたみたいです。「限界」というのはそういうことです。
具体的に今回の話に当てはめるのであれば、この「限界感応度」というのが何かというと、「利益が1単位増えたり減ったりした時に、嬉しさはどれだけ増えるのか」ということですね。
倍率ですね、利益1単位に対して嬉しさはどれだけ増えるの? というのが「限界感応度」です。
これが段々と減っていくんですよ、ということが書いてあります。
だから、グラフを見ると分かるんですけど、限界感応度が逓減しないグラフであったならば、このグラフはこんなにグニャグニャにならないんですよね。真っ直ぐピッとこういう直線になるはずなんです。
利益というのは増えれば増えるほど、…例えば利益が0円だったものが1万円になったら「すげぇ嬉しい」って思いますよね。
で、この1万円がもう1万円増えて2万円になった時、それから2万円から3万円になった時、100万円が101万円になった時…という風に、ずっと増えていく割合は1万円なんですけど、その1万円が増えた時の嬉しさの増え方具合というのは段々減っていくんだよ、ということを言っています。
損失に関してもそうですね。
損益0のところから1万円のマイナスになった時のショックと、もう最初から1,000万円の損失が出ていて、その損失が1,001万円になった時のショック具合…っていうのは全然違うわけです。
どう違うかというと、0から1万円になっちゃった時の方が、ショックの度合いは大きくなるわけです。
段々と傾きがおだやかになっていく。これが「限界感応度逓減」ということなんですね。
だから、「このことから何が起こるか」という話なんですけど、限界感応度が逓減して利益が増えることに対する魅力というものが無くなっていく、利益が増えてもさほど嬉しくなくなっていってしまうので、利益が出た時というのは、パッとすぐ確定したくなってしまう。
「チキン利食い」みたいな言葉がありますけれど、チキン利食いというのはこの3の性質から出るものです。
一方で、損失というのは、出た瞬間が一番ショックなんです、受け入れ難いんですね。
一方で、大きくなればなるほど、それに対する感じ方というのは小さくなっていくわけですね。そのショック具合というのが小さくなっていくので、段々どうでもよくなってくるわけですね。
だから、損失というのはカットしづらくなる、まあ放置されやすくなるということですよね。
「塩漬け」というのはこの「3」の性質によって引き起こされやすい。
結果として、まるっと1・2・3全部合わせた結果、人間はトレード中にどういう行動を取りやすくなるかというと、利益を早く確定したくなる一方で、損失は放置しやすくなる、ということになります。
つまり、「いわゆる【損大利小】と言われるトレードに繋がりやすくなる」ということなんですね。
損大利小というトレードは、このプロスペクト理論による心の動き、これによって引き起こされるものなんだ。というのがここから分かってもらえれば良いかな、と思います。
まあそんなことで、損失の方が利益よりも心に対するこの波風の立て具合というのは大きくなるんだよ、というのは、特に2番の性質がメインですけれども、こういったプロスペクト理論の価値関数グラフを見ると、明らかになります。
「それは普通のことなんだよ」
「人間が持っている性質として仕方ないことなんだよ」
ということが分かったと思います。
ということで、解説は以上になります。
まとめ
はい、いかがだったでしょうか?
分かりましたかね? なるべく分かりやすく話をしたつもりなんですけど。
こんな感じで人間は物事を考え、感じます。
目の前で起きたことに対して、自分がどういう風な心の動きをするのか?ということは、やっぱりトレードをする前にちゃんと知っておいた方が良いですよね。
「トレードをして、何だか心がザワザワザワザワしているけれども、これをどう抑えつけたら良いのか分からない。これをどうやって、このことがトレードに影響を持たないようにしたら良いのか分からない。」
そういう人、結構多いと思うんですけど、それは恐らく、自分の心がそもそもどういう動きをしているのか、なぜこういう風に考えるのか・感じるのか、っていうことをちゃんと知らないからなんです。
まずは自分の現状を知らないと、改善することは不可能なんです。なので、今日の動画って凄く重要な話をしたと思います。
「プロスペクト理論」という言葉は、何かいろんな人が使いますよね?
いろんな人が使っているんですけど、ほとんどの人がちゃんと理解していないで喋っているので、大体巷に出ている情報は、嘘か何か半端な話なんですよね。
今日話した内容は本当のプロスペクト理論です。
本当は他にももっと沢山話すことがあるんですけど、一応今回、「質問に答える」という趣旨から、質問に答えるのに必要なところだけ抽出してお話ししたんですけど。
これをきっかけに、「今日の話をもうちょっと深堀りしたい」そういった興味を抱いていただけたら凄く嬉しいと思います。
そういう人は、どんどん自分で調べて…結構深いですからね、行動経済学。
面白いですから、是非勉強してみてもらいたいと思います。
ということで、今回の動画は以上になります。
今回の動画が少しでも勉強になった・役に立ったと思っていただけた方は、ぜひチャンネル登録と高評価をよろしくお願いします。
それから、何かこういったメンタルっぽいことを話す機会って実は僕のチャンネル少なかったので、これについて何か思うところ…「もっと話してほしい」とか、「もうお前の話、そういうのは要らん」みたいなことがあれば、コメント欄とかリプライにくれると嬉しいです。
今後のチャンネル運営をする上で、是非参考にさせていただきたいので、よろしくお願いします。
…ってことで、以上になります。
それでは皆さん、ごきげんよう。
動画をご覧いただきありがとうございました。
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