【検証】ルールを1つ足すだけでゴールデンクロスで利益が!?

どうも、メタトレ研究所のHiroです。
以前、「動画で、ゴールデンクロスだけでトレードしたらこんな感じになるよ」という検証をしたことがあるんですけれども、皆さん、覚えていますでしょうか?
もし「覚えていないよ」とか「見たことないよ」という人がいれば、そちらの動画も是非併せて見てもらいたいのですが、そちらの動画の最後で、「この手法はまだ精度を上げることが出来ます」「エントリーロジックにフィルターを付けたりとか決済ロジックを工夫したりとか…」っていう話を最後にしたんですね。
今回はその、「決済ロジックを工夫したりとか」っていうところの具体例、これを1つお見せしたいなと思っています。
使うのが、「ATR」というインジケーターです。
ATR、これは、ローソク足1本あたりのボラティリティ、つまり価格変動の大きさを平均化して表示したものです。
例えばATRのパラメーターを「14」と取った場合には、過去14本分のローソク足の平均のボラティリティを計算して表示してくれているわけです。
この数字がオシレーターウィンドウの方に表示されています。このオシレーターウィンドウに表示されているATRに倍率を掛けて、それを決済の値幅にしよう…というようなロジックにしていこうと思っています。
…今、このカメラに向かって口だけで説明していると分かりづらいかもしれないので、一応この後、画面を見ながら再度説明しようと思うんですが、とにかく一緒に画面を見ながら、この後検証と、検証前にどういうロジックで決済をしていくのかということを説明していこうと思いますので、じゃあ早速ついて来てください。
ゴールデンクロス+ATRの決済ロジックを検証
はい、それでは検証をやっていこうと思います。
まずはトレードルールの確認からです。今回もドル円の1時間足で検証をやっていこうと思います。
ゴールデンクロスでロングエントリーというところは以前の動画と同じです。
変えたのは、決済ロジックのところです。今回、ATRの3倍の幅で決済注文を行っていきます。
詳しくは後でチャートを見ながら説明するんですが、以前のゴールデンクロスの検証の時には、決済注文は上下50pips固定で行っていました。
pips固定で行っていた決済を、その時々のボラティリティに合わせるために、「ATRの3倍の幅」という風に設定し直すわけですね。後でもうちょっと詳しく説明します。
そして、ここ、変わらないところなんですが、ポジションは1方向につき1つまでという風に決めました。
ATRの決済についてもうちょっと詳しく説明します
では、ATRの決済についてもうちょっと詳しく説明しようと思うんですが、ATR、これですね。
今もう表示してあるんですけれども、このATRというものは、「Average True Range」という名前の略称です。
「(14)」という風に小さく書いてあるんですけれども、これはパラメーターが14という意味なんですが、これはローソク足直近14本の平均のボラティリティ…ざっくり「ローソク足の長さ」と考えていただければほぼ同じになるんですが、「1本1本の値幅の大きさの、14本の平均値を取ると、今15.9pipsですよ」というようなことが書いてあります。
…ここ、「0.1590」って書いてあるんですが、これは0.1590円という意味になりますので、1本あたりの平均の値幅が…0.1596、これは15.96pipsということになるわけです。
今回は、これの3倍の値幅で決済レートを決めよう、ということなので、およそ16×3ということで、48ですね。48pipsぐらいのところに、指値と逆指値がそれぞれ上下に入る、というようなイメージになります。
そんなことを繰り返しながら、1年分のデータでバックテストを見てもらおうと思っています。
見ながら、ちょっと最初の方、また解説していこうと思いますけれども…。
移動平均線、パラメーターですね。これは、前回のテストと同じく、短い方の短期線がパラメーターが20のSMA、長期線が75のSMAですね、これでやっていきます。
決済ロジック以外は全部、前回と同じという風に考えていただければいいです。
後は、ATRですね。はい、では始めていきます。用意、ドン。
バックテスト開始
…はい、ここでピンクの線・20SMAが、水色の線・75SMAを下から上に抜けたので、ゴールデンクロスということで、ロングエントリーが入りました。
このタイミングで、今、ATRが0.0894なので、およそ9pipsですかね、これの3倍の幅なので、27pips上下ぐらいのところに指値・逆指値が入っている状態です。
こんな感じで、ずっと繰り返していくわけですね。
このATRの値が高くなれば、この決済の幅は大きくなるし、ATRの値が小さくなれば決済の幅は小さくなる、というような感じで決済のレートが決まっていくわけですね。
あと、ロットについて言及していなかったんですが、ロットに関しては0.1ロット固定でやっていきます。
それでは続きを見ていきましょう。
…今、指値と逆指値の決済注文、ともに入れていたんですが、指値の方に先に当たりましたので、指値が執行されて、ポジションが無くなりました…という感じですね。
こんな感じで、ずっと1年分のデータでやっていきますので、後は早回しで見ていきましょう。
はい、1年分のバックテストデータによる検証が終わりました。
それでは、どんな風になったでしょうか。見ていきましょう。
まずグラフですね。こんな感じです。右肩上がりになっていますね。
レポートを見てみると、勝率が58%、プロフィットファクタが1.27、純益が208ドル…という風になっていますね。こんな感じです。
レバレッジ1倍で大体2%ぐらい増えたっていう感じですかね。そんな結果になりました。
一応、撮影に掛かる時間なんかも考えて、ちょっとこのビジュアルモードだと、1年分のデータでもかなりテストするのに時間が掛かってしまうので、今回、1年分のデータしか使っていないんですが、これを仮に3年分のデータにした時にどんな感じになるか、というのを見ていこうかと思います。
これは流石にビジュアルモードではやらないんですが…。
2016年から2018年の末まで見てみるとどうなるかというと、こんな感じですね。
グラフを出しながら見ていこうと思います。ここから始まって、資産推移がこういう風に行くんですけど、やっぱり割と順調に資産、伸びていきますよね。こんな感じになりましたね。
レポートを見ると、プロフィットファクタ1.3…これ、あまりさっきと変わらず、って感じですかね。
勝率が55%、ちょっとずつ両方とも上がった、という感じだと思います。
今回の検証は、「固定のpipsでの決済」と「ATRを使った決済」の比較が目的だったので、これ、今回のデータと前回の決済ロジックによるデータと、比較をしてみたいと思うんですが、その時に使うのに便利なソフトというのがあって、それが「Quant Analyzer」というものです。
こういうのを僕はよく使うんですが、どういう時に使うかというと、主に複数のロジックの成績を分析する時に使っています。
複数のロジックを組み合わせて、ポートフォリオとして運用した時の成績が知りたい。
あるいは、今回のように、複数のロジック間の成績の比較をしたい。…そんな時に、このQuant Analyzerを使うと凄く便利です。
今回、ここに既にこのMT4のレポート…バックテストレポートというのを読み込ませてあるんですが、ゴールデンクロスのエントリーで50pipsの固定決済をした場合のレポートがこんな感じ。
ゴールデンクロスのエントリーをして、ATRの3倍で決済した時のレポートがこんな感じ。
…というのが出ています。
「Overview」というのが出て、「Equity chart」というのがあって。
こっちが、50pipsの固定決済をしたときの成績ですね。
こっちが、ATRを使った、ATRの3倍の値で決済をした時の成績です。
この2つを、このグラフを重ねて、「どういう資産推移の差が出てくるか」というのを見たいんですが…こういう時は、両方にチェックを入れて、ポートフォリオを作成します。
すると、この2つが組み合わさって、ポートフォリオになるんですが…このポートフォリオのグラフを見ると、こんな感じになりますね。
ちょっと、合わせた合成のグラフまで出ちゃっているので、これだけ消してしまおうと思うんですが…。
…こうですね。見えますかね? 赤い線の方が、ATRを使った決済の資産推移。青い方が50pips固定決済をした時の資産推移のグラフになります。
最初はあまり差が出ていないんですが、むしろATRの方が下回るような場面もちょっと出たりするんですが…。
この辺り、この辺りで大きく差が出て来ます。要するに、これ、勝ちが続いている場面なんですね。2016年の後半、大きくトレンドが出ている場面で…要は勝ちやすい地合いが出ている時なんですけれども、こういうところでしっかり勝つことが出来ている。勝つべき時にしっかり勝つ、ということが、通算の損益に凄く関わってくる、というのがこのグラフから読み取れます。
ATRというのは、ボラティリティを測るインジケーターです。その「ボラティリティが高まった時、トレンドが強く出ている時に、大きく利益を狙うことが出来る」という意味で、ATRを使った決済というのが今回は上手くハマったと言えるでしょう。
まあ、ATR、いつもいつも使える…というか、いつもいつもどの手法に対しても有効な決済方法か、というとそうとも限らないんですけれども、有効なことが結構多い、いろんな手法にマッチしやすい決済ロジック・決済インジケーターですので、いろんな手法を考える時に、とりあえず1回はATRを検討してみるというのをお勧めします。
ということで、検証は以上です。
まとめ
はい、如何だったでしょうか?
今回は、ATRを決済に組み入れるというやり方はドンピシャでハマったわけですけれども、これ、「いつもいつもATRを入れておけば決済完璧になるんだよ」ということではないんですね。
ただ、ATRと親和性の高い、そういう手法って沢山ありますから、新しい手法を試す、その中で決済をどうやってやろうかな…って検討する段階においては、必ず一度、ATRを使った決済を検証してみてもらいたい…そんな風に思って、今回の動画を作ってみました。
それから、今回の、ATRの導入をしたわけですけれども、このATRを導入した決済のロジックの結果と、そうじゃない結果と、比較するグラフが出て来ましたよね。
あれ、「Quant Analyzer」っていうソフト…これ月額20ドルぐらいの費用で使えるソフトなんですが、普段僕が複数のロジックを比較したい時、あるいは複数のロジックを組み合わせてポートフォリオとしての成績を知りたい時には、このQuant Analyzerというソフトを使っています。
今回は「このATRの有効性を検証したい」ということもあったんですけれども、「このQuant Analyzerというものを皆さんにお見せしたい」という意味もあって、今回の動画を撮ったわけですね。
ですから、今後、Quant Analyzerの使い方に特化した、そういう動画も作っていこうとは思うんですが、今回はとりあえず、Quant Analyzerというソフトの名前、これだけは覚えておいてもらえると嬉しいです。
ということで、今回の動画は以上です。
いろんなことをお話ししました。なので、ちょっと頭がパンクしちゃった人もいるかもしれないので、もし分からないことがあれば、コメント欄に是非コメントを入れておいてください。
それから、今回の動画が少しでも役に立った・勉強になったと思った方は、高評価・チャンネル登録を是非よろしくお願いします。
ということで、以上です。
それでは皆さん、ごきげんよう。