【検証】一目均衡表の三役好転・三役暗転を実際に検証してみたら・・?!

今回は、一目均衡表を使ったトレードの検証をやります。
「一目均衡表」。
日本生まれのインジケーターで、今、世界中で使われています。
作った人は、ペンネーム「一目山人(いちもくさんじん)」、本名「細田悟一(ほそだごいち)」さんという数学者だったらしいんですけれども、この人が作ったインジケーターですね。
物凄く複雑なんです。今でも、その正しい使い方を巡って、いろんな議論だったりとか、開発者である一目山人さんの三代目という人が、未だにこの一目均衡表の研究をしていたりとかするような、ちょっと半ば神秘的な、そんなインジケーターだったりするんですけれども…。
このインジケーターの使い方として、もう間違い無く「最もポピュラーな使われ方」というのがあります。
「三役好転」
「三役暗転」
といわれる状態をトリガーにして、トレードをするというロジックです。
このロジック、これから画面を使って再度説明をしますけれども、このロジックを使ったトレードが果たして勝てるのか・勝てないのか…というのをこれから検証していこうと思います。
ということで、早速画面を見ながら、一緒に話をしていきますので、ついて来てください。
一目均衡表のトレードロジックを検証
はい、それではこれから検証していくんですが、まず、今回使う一目均衡表について簡単に説明しておこうと思います。
一目均衡表、今表示されているような、こういうインジケーターですけれども、5本のラインで構成されています。
この5本のラインが、「現在」と「未来」と「過去」、時系列をズラしたところにそれぞれ配置されている、時間にズレを作っている、というのがこの一目均衡表の特徴の1つです。
まず、現在のところに表示されている2本のラインに注目したいんですが、これが、赤い線と青い線、出ていますよね。
この赤い線が転換線といいます。そして青い線が基準線といいます。
ちょうど移動平均線の短期線・長期線みたいな関係の動きをします。ただ、移動平均線と違うのは、「平均ではなく中間をとっている」というのが特徴としてあります。
もうちょっと詳しく見ていこうと思うのですが、まず赤い線…転換線ですけれども、これは、直近9本、この9本の最高値・最安値の真ん中…これ、平均じゃないんですね、真ん中なんです。
一番安いところと一番高いところの、真ん中にこの赤い線が来るように描画されます。
9日間ですね、パラメーター9を取っているのが、転換線ですね。短期線の方に当たります。
それから、長期線に当たるのが基準線ですね。
基準線は、青い線で表示されていますけれども、パラメーターとして26を取ります。26本、直近26本なので、ここまでですね。
ですから、この間で一番高いところってこのヒゲなので、ここと、一番安いところ…ここですね。
こことここの真ん中、中間がここですよ、という風に描画されるのが基準線ですね。移動平均線で言うところの長期線に当たる線です。
ですからこれ、赤い線が青い線よりも下にある状態というのは、まあ今の状態ですけれども、下降トレンドである、と…この2本だけを見た時には下降トレンドである、という風に判断出来るわけですね。
これが、現在のところに表示されている基準線・転換線というラインでした。
次に見たいのが、未来の方ですね、未来の方を見てみましょう。
これが、先の方に表示されているんです。
どれぐらい先かというと、26本先なんですけれども、26本先に表示されているのが一目均衡表の「先行スパンA」「先行スパンB」と言われるラインです。
「先行スパン1」「先行スパン2」と呼ぶ人もいますけれども、MT4の場合は「先行スパンA」「先行スパンB」と呼ぶので、今回はそちらに合わせて呼ぼうと思います。
先行スパンAがオレンジのライン、先行スパンBが紫というかピンクのラインです。
この2本合わせて、「雲」と言ったりしますけれども、この雲を形成する先行スパンA・Bというのは、それぞれ別の計算式をとって描画される線なので、このように、値にズレが生じます。
値にズレが生じることによって、この幅が大きくなったり小さくなったりするわけですけれども、それぞれの線の計算式を一応簡単に説明しておくと、まず先行スパンA、オレンジの線の方は、基準線と転換線の真ん中です。
また真ん中…中間線ですけれども、中間線と中間線の更に中間線が26本先に表示されたもの、というのがオレンジの線…先行スパンAになります。
先行スパンBというのは何かというと、これ、最も長いんですが、52本のローソク足の最高値・最安値…52というと、もうここまで行くんですが、ここから…ここが一番安値ですね、この期間。
ここからここまでの最安値なので、ここですね。ここと、最高値はここかな?
中間の値が、26本先に描画される…ということになります。
転換線と基準線というのは、パラメーターが9と26でしたよね。それの中間をとっているのが先行スパンA。
一方で、先行スパンBというのはパラメーターとして52という値をとっているわけですね。
ということは、先行スパンAが要素としている、この基準線・転換線よりも、採用している期間が凄く長いわけです。
ですから、この先行スパンA・先行スパンBというのも、短期線・長期線の関係にある、と言うことができます。
そんな感じですね。
遅行スパン
次に、遅行スパンというものを見たいんですが、これは物凄く単純。
つまり、ローソク足…今、この値というのがちょっと上がったり下がったりしているわけですけれども、今まさに推移しているこのローソク足の終値の値が、そのまま26本前…「前」というのは、この過去ということですね。過去に描画されているだけです。
つまりこれは、過去の価格と今の価格とを比較している。
そして、
「今の価格が過去の価格よりも下にある」
…正に今の状態ですけれども、この状態を「下降トレンド」と見るし、逆に、
「今の価格が過去の価格よりも上にある」
…つまりこのピンクの線がローソク足よりも上にあれば「上昇トレンド」と見なすことが出来る。そんな見方をするインジケーターです。
こんな感じで5本の線を簡単にバーッと説明してきたわけですけれども、今回、これらの線をどこに使うか、というのを確認していきたいです。
これがそのまま、今回のトレードのルールになります。
今回採用するルールというのが、「三役好転」、それから「三役暗転」と言われるものです。
三役好転というのが買いのサイン、暗転というのが売りのサインということになりますね。
今回はちょっと、もちろんロングもショートもポジションを取っていくんですけれども、ここに書くのは三役好転についてのルールです。逆は、逆だと思ってください。
三役好転、買いのルール
三役好転、買いのルールをここで説明します。逆は、逆…これが逆になったのが三役暗転であり、ショートのサインという風になります。
三役好転について説明していきますね。
まず、現在に注目して条件を見ていくんですけれども、ローソク足が雲よりも上にあったら買いサインですね。
それから、転換線が基準線よりも上にあったら買いサインですね。
そして、過去に目を向けた時に、遅行スパンがその当時のローソク足よりも上にあったら、買いです。
…この3つが全部揃っている、つまり三役ですね。
三役が全部揃っている状態になったら、ロングエントリーをして、50pips上に利益確定・50pips下に損切りの注文を入れる、というような流れです。
これ、一応1つずつチャートでまた確認していこうと思うんですが、まず現在のところを見て、ローソク足が雲よりも上にある状態というのが買いのサインですね。
ですから、この辺にはありませんね。もうちょっと過去に遡って…ここ、このような状態ですね。こことか、この辺とかですね。こういうような場面で買っていきます。
それから、現在の状態でもう1個見るのが、転換線が基準線を上回っている状態、ってことですね。
つまり、赤い線が青い線よりも上にある状態というのが買いのサインですよ、ということを言っています。
次に、過去に目を向けて、遅行スパンがローソク足よりも上にある状態というのがロングエントリーの状態ですね。
ピンクの線がローソク足よりも上にある状態が買いエントリーのサインということになります。
先ほども言いましたけれども、遅行スパンがローソク足よりも上にある状態というのは、今の価格が過去の価格よりも上にあるという状態になりますので、つまり、過去よりも今の方がレートが上がっている、と…それだけのことなんですけどね。
それによって、上昇トレンドにあるということを示唆しているわけですね。
これら3つが全部揃った状態で、ロングエントリーを持ちます。
これらが全部逆の状態の時に、ショートエントリーを持ちます。…「全部逆」というのは、まあ今何か凄くそうなんですけどね。雲よりもローソク足が下、赤い線が青い線よりも下、それからピンクの線がこの時のローソク足よりも下。これが三役暗転であり、ショートエントリーのポイントとなるわけですね。
この場合はショートエントリーを取って、50pips下に指値・決済、50pips上に指値・損切りを入れる、というような流れになります。
このロングとショート、両方取りながら、1年分のデータでまずはバックテストをしていこうと思います。
1年分のデータでビジュアルモードでバックテストをした後に、3年分のデータで、ビジュアルモードじゃないモードでバックテストしようと思います。
テスト開始
まずはビジュアルモードでテストをしていきます。
一目均衡表を出しておこうと思います。ここですね。
…もう早速ショートエントリーが入っちゃったんですが、これは、ここでショートエントリーが入っています。
ここは、まずこの状態の時に、3ヶ所見なきゃいけないんですが、ピンクの線がローソク足よりも下にありますね。
それから、この時ローソク足は雲よりも下にありますね。
それから、ここまでは赤い線が青い線よりも上で推移しているんですが、ここで、赤い線が青い線を下回っています。
…この状態でこのローソク足が引けたので、次の足の始値からショートエントリーをして、上下50pipsのところに逆指値、この下に50pipsのところに指値が入っています。
こんな感じで、今は三役暗転でのショートを持ったところですね。
あとは、決済がどっちが掛かるのが先か、というのが見ていきたいところなんですが…。
今、ショートエントリーに対する逆指値が入ったんですけれども、その前にここ、ロングエントリーが入っていますね。
このロングエントリーを持った理由というのは、ローソク足が雲よりも上に出ていて、ピンクのこの遅行スパンがローソク足よりも上にある、赤い転換線が青い基準線をここで初めて上回ったので、ここで三役好転が初めて満たされたということで、ロングエントリーを持っています。
その時に、エントリーと同時に、指値・逆指値、それぞれ50pipsの幅で決済注文がされています。
これがどっちが先に掛かるか、という話なんですが…指値決済がされましたね。
これでショートで負けてロングで買ったので、1勝1敗という感じになっていますね。
こんな感じで、1年分のデータでテストをしていきます。それでは、早回しで見ていきましょう。
テスト結果は?
…はい、テストが終わりました。それでは、グラフを見ていこうと思います。
こんな感じですね。一応プラス利益が残った、という感じです。
ほとんどの期間は、ただジグザグした状態で行ったり来たりで過ごしている、という感じなんですが、これはトレンドが出ていない時に、ポジションが両建てになっちゃってるんですね。
なので、お互いに、この片方の利益がもう片方のポジションの損によって相殺される、というような形で、ジグザグしながら、横ばいになってしまう…という感じだと思います。
2018年が、あまりトレンドが出なかったということもあると思うんですが、たまに出るこういう大きいトレンドで利益がワーッと上がったりとかするわけですけれども、ほとんどの期間が行ったり来たりしているだけ、というような損益グラフになっています。
一応レポートも見てみるんですが、勝率がやっぱりトントンですよね。
もうほとんど両建ての状態になっちゃっているので、ここ、決済ロジックはちょっと工夫した方が良いかな…という感じはします。
次、ビジュアルモードを外して3年分のデータでもテストをやってみようと思うのですが…どうなるのでしょうか。
3年分のデータでテスト
…こんな感じですね。
2016年の、恐らくこれ、後半ですね。トレンドが大きく出る場面ではやっぱり大きく資産を増やしてくるんですが、それ以外の、目立ったトレンドの無い場面では、やはりこうジグザグジグザグと横ばいになってしまうという…そんな感じになっています。
結構見込みのある手法だな、とは思うんですけれども、決済に関してもうちょっと工夫の余地があるかな…という印象ですね。
とりあえず今回は、一目均衡表の教科書通りのエントリーの仕方、それから極めて単純な決済ロジック…という組み合わせでテストしましたけれども、そこそこ利益を残してゴールイン、というような結果になりました。
これ、まだまだ改善の余地はあるんですけれども、期待の持てる、そんな含みを持たせた結果になったのではないでしょうか?
それでは、テストを終わりにします。
まとめ
はい、如何だったでしょうか?
本当に教科書通りのエントリーロジック、それから物凄く単純な決済ロジックで、こういった成績が出るんですよね。
本当に、僕自身のオリジナルの部分って無いですよね…僕が工夫して何か採り入れたものって無くて、一般的に言われているトレードをそのままやったらこういう成績っていうことなので、ここから先、多分トレーダーとしての腕の見せどころじゃないかな…と思うんですけど、それは僕も含めて・皆さんも含めて、ってことです。
皆さんで、この今回検証したロジックをベースにしながら、いろんな工夫をすることによって、この手法はもっと良くなる余地があります。
そんな期待の持てる、今回の検証だったかな、と思います。
今回の動画を見て、検証中、いろいろ思ったこともあるかなと思います。
「もうちょっとこういう風にしたら良くなるんじゃないのかな?」
とか、
「これは要らないんじゃないのかな?」
とかね、まあ、いろいろ思いながら見ていただいたと思うので、そういったことを是非コメント欄とか、Twitterとか、質問箱の方で提案いただけると嬉しいです。
あとは、今回扱った内容に限らず、
「こういった検証をしてもらいたい」
とか、
「こういうことを扱ってもらいたい」
みたいなことがあれば、そういったことも是非コメントの方にお寄せください。
ということで、今回の動画は以上になります。
今回の動画が少しでも勉強になった・役に立ったと思っていただけた方は、高評価・チャンネル登録を是非よろしくお願いします。
それでは皆さん、ごきげんよう。