MACDってみんな意外と何となく使ってない?

MACDってみんな意外と何となく使ってない?

どうも、メタトレ研究所のHiroです。
今日はMACDの解説動画を撮ろうと思います。

不定期でこういう、「初心者向けに本当に基本的なことをガチ解説する」
っていう動画を上げたりしているんですけど、本当に久しぶりかな、と思います。

これまで上げてきたのは、移動平均線だったりとか、ダウ理論だったりとか…
っていう感じだったんですけど、今日はMACDですね。

あと、ボリンジャーバンドもやったことありましたね。
そんなのもやりましたけれども…今日はMACDです。

主観です。
「結構いろんな人が使っているな」と思っているものを、
今回もピックアップしてみた、という感じです。

凄く人気のMACDですけれども、それがどういう意味を持っているのか、
何を知るために使われているのか…っていうのがイマイチ理解されていない、という印象です。

なので、今日はその辺のところをイチから解説するような動画にしていきたいと思います。

はい、それでは早速、チャートを見ながら解説をしていきたいと思いますので、
いつものように、画面を一緒に見ていきましょう。それでは、ついてきてください。

MACDを徹底解説していきます

はい、それではMACDの解説をやっていこうと思います。

見たこと無い人ってどれだけいるのか分からないんですけど、表示するところからですね。

ここにインジケーターを表示する・選ぶ場所っていうのがあるので、
普段使っている人は多分この辺にMACDあったりすると思うんですけど、
無い人は「オシレーター」っていうところから追加してください。

すると、パラメーターなんかを選ぶところが出て来ますけどね、
「12・26・9」っていう風になっているのがデフォルトの値です。

なので、とりあえず最初はこの値で使っておけば良いと思うんですが、
大事なことは「どの値を使うか」ということよりも、
「それぞれの値が何を表しているか」ということを知ることです。

それは今から説明していこうと思うんですが…。

パラメーターのそれぞれの値が何を表しているか

パラメーターのところに、「EMA」「EMA」「シグナル」と書いてあります。

短期EMA、長期EMA、シグナル…っていう順番なんですけど、このことから、MACDはその値を計算するのに、「EMA」という…これは移動平均線の1種類ですけれども、これを使っている、ということが分かります。

なので、これでOKを押すとMACDが表示されるんですが、この計算の要素となっていると思われるEMAも一緒に表示すると、普段、実務上そういうことをする必要というのは全く無いと思うんですが、この、今回「MACDを理解する」という意味では結構分かりやすくなったりするので…これから「MACDというものを理解したい」という時は、こういうものを一緒に表示すると良いと思います。

赤い方が、さっきパラメーターの中にあった12EMA…短期EMAですね。

黄色い方が26EMA…長期EMAという風に書いてあったと思うんですが、その値のそれぞれの移動平均線になっています。

MACDというのは、単純にこの、EMAの乖離幅…「乖離幅」というのは、「2本がそれぞれどれだけ離れているのか」を表す言葉ですけれども、それを表したものです。

普通にインジとか使う人は、「この線ってどういう風に出ているんだろう」「何を表しているんだろう」っていうのを勉強する時は、このデータウィンドウっていうのを表示することを凄くお勧めしているんですけれども、ちなみにこれは「表示」ってところに行って、「データ・ウィンドウ」ってところをクリックするとこれが出ます。

「データ・ウィンドウ」ってやると消えて、もう1回「データ・ウィンドウ」をクリックすると、出る…っていうやつですね。

カーソルがある位置の、それぞれの表示されているインジケーターとかローソク足とか、そういったものの値を全部正確に出してくれる、という…そういうやつですけれども。

これを出しておくと凄く分かりやすいんですが、もう先、結論言っちゃうと、これ、MACDっていうのは単純に、この短期線と長期線のそれぞれの移動平均線の値を引き算した結果がこの白い棒グラフとして出ている、というものです。

ここにゼロっていうものがありますね。真ん中がゼロ。

で、上下にプラス圏・マイナス圏っていうのがある、っていうようなビジュアルになっていますけれども、白いところ…白いのが棒グラフ、一般的に「ヒストグラム」と言われることが多いですけれども、そういう表現方法になっています。

これがMACDのメインの線です。

赤い線というのは、「シグナル」っていう風にパラメーターの中にあったと思うんですが、あれです、シグナルラインです。

「9」っていうパラメーターを使われることが一般的で、MT4でもデフォルトは9になっているんですけれども、これはもう単純にこのヒストグラムで表示されているメインのMACDのこの値を9本束ねて、9移動平均線にしているものがこの赤い線です…という構成になっています。

今、途中まで話したのが、じゃあ元々のこのシグナルを計算する要素にもなっている、メインのこのMACDの白いヒストグラムがどういう風に計算されているのか? というところなんですけど…。

これが、移動平均線2本の引き算の結果なんだ、ということなんですよね。そこをしっかりと押さえておいてほしいと思います。

ちょっと試しに、その「本当に引き算の結果になっているか」というのを確かめてみようかなと思います。

では、こことします。この時に、皆さんの方はこのデータウィンドウを見てもらいたいんですけどね、この十字線がある時点での各々の線だったりとか、価格の値がデータウィンドウの方に出ています。

MACDの値が今、0.1484っていう風になっています。

今、ドル円のチャート上でやっているんですけど、要するにこれは0.1484円、pipsで表現するんだったら14.8pipsっていうような感じになるんですけど、これが、じゃあどこから持ってきた数字なのか、というのを見ると、データウィンドウの中のサブウィンドウ→MACDって下にありますよね。その上に「MA(12)」「MA(26)」ってあると思うんですけど、そこ、引き算してみてください。すると、この値幅っていうのが14.8pipsなんですよね。

それが何かというと、チャートの方…ごめんなさい、カーソル動かすと数字も全部ズレちゃうので「ここ見てください」の位置を指示することが出来ないんですけど、今度、メインチャートの方の十字線を見てほしくて。こことここの間ですよね。ここの間が今、出ているわけですよね、データウィンドウの方に。

で、この幅とMACDの値というのがその後ずっと一致しているので、このことから、MACDのこの値っていうのは単純に、「この12EMAと26EMAを引き算した結果になっている」ということが分かるわけですね。

で、この、今指示している場所…この十字線がある位置というのは、ご覧の通り赤い線が上・黄色い線が下になっていますので、「赤い線-(引く)黄色い線」をやると、その値というのはプラスになるわけですよね。

なので、MACDのこの値というのが、実際プラスになっていますよね。

逆にこのような位置ですよね、この辺りのところというのは、赤い線が下にあって、黄色い線が上にある…という感じなので、「赤い線-黄色い線」をやると、その答えというのはマイナスの値をとるわけですよね。

ですから、この時のMACDのヒストグラムのこの感じを見ていると、
0ラインよりも下で推移をしている、ということがされているわけです。

このことから何が言えるかというと、
MACDの値がプラス圏にあるかマイナス圏にあるかによって、移動平均線の並び順というものも窺い知ることが出来る。

移動平均線の並び順から一般的にトレーダーが何を読み取っているかというと、トレンドの方向ですよね。
MACDというのは、まず、このプラス圏にあるかマイナス圏にあるかによって、トレンドの方向が上向きなのか下向きなのかっていうのが分かるようになる、ということが1点。

MACDを使う上で一番重要なことは乖離幅なので、「速度」です

…まあ、一番分かりやすいところではあるんだけど、多分僕の中では、MACDを使う上で一番重要なことではなくて。
一番重要なことは、さっきも言った通り、乖離幅なので、速度ですね。

「価格変動の勢い・速度が測れる」というのが非常に大きい効用だと思っています。

まあ、「移動平均線の乖離幅が速度である」っていうのが何となく感覚として分かっている人と分かっていない人とがいると思うので、一応説明しておくと、移動平均線のこのパラメーターって、いろんな人がいろんな値で使っていると思うんですけれども、基本的にはどの値をとるかって別に何でも良いんですけど、

1つ覚えておいてほしい性質として、移動平均線のパラメーターというのは…その採用する期間というのは、

・短ければ短いほど感応度は高くなる
・長ければ長いほど感応度が低くなる

っていう性質を持っています。

このように、感応度の高い短期線と、感応度の低い長期線を、同時に並べて使うと、例えばローソク足1本がビヨンと伸びるような場面においては、感応度が高い移動平均線・短期線の方が先に上がっていって、長期線というのはこの計算の要素としているローソク足の本数が多いので、1本ぐらいビヨンと伸びたところでパッと付いていくことは出来ないんですね。

だから「感応度が低い」ということになるんですけど、要は遅れるんですよね。

この、トレンドに勢いが出始める初動の段階というのは、短期線しか上がらない・長期線は付いて来られない…という状況があるので、勢いがある状況というのは、この「移動平均線同士の乖離幅が大きくなる」という状況があるわけですね。勢いが伸びていく時は、その「乖離幅がどんどん伸びていく・広がっていく」ということも同時に起きてきます。

ここ、結構突き上げが大きい所ですけれども、その期間というのはMACDのこのヒストグラムが上がり続けるというようなことが起きるんですけれど、これが、勢いが無くなってくる…上昇の勢いが失われてくると、この短期線の長期線をぶっちぎって上がっていくような勢いというのは無くなっていって、長期線というのは計算の要素としているローソク足の本数が多いので、時間が経ってようやく、この辺りの上昇がこの移動平均線の描画に反映されていって、ようやく上昇してくる…というようなことが起きてきますので、結果として、「赤い線:上がらない」「黄色い線:上がっていく」ということになるので、移動平均線の乖離幅というのは狭くなっていくわけですね。

結果として、このMACDの値もこう小さくなっていったりする、ということなんですよね。

MACDを何のために使うのか

ちょっと今、こう価格に当てはめて説明をしたんですけれども、結局何が言えるかというと、MACDのこの絶対値…0ラインからの距離、「今勢いが出ているか」ということと「勢いが継続しているか、それとも失われ始めているか」ということが窺い知ることが出来るわけですね。

だから、MACDって「何となく人気だから使っている」って人、それなりに人数いると思うんですけど、インジケーターを使う上で凄く大事なことというのは、「何のために使っているのか」「このインジケーターを使うことによって何を知ることが出来るのか」「自分は何を知るためにこれを表示しているのか」ということをしっかり理解することだ、と思っているんですね。

それが必ずしも僕と同じじゃなくても良いし、他のトレーダーと同じじゃなくても良いんですよ。

…良いんですけど、それを知っている・理解している・思っている…っていう、そのちゃんとした目的意識と共にインジケーターを表示しているっていうことが凄く大事で。

僕の場合は、MACDに関しては、まあ方向性なんていうのは別にMACDを使わなくても知ることが出来るんですけど、その方向に対してどれだけの速度感というか、勢いを持って価格変動が続いているのか、っていうのを知るために僕の場合はMACDを使っているということなんですね。

特に、「何のために足しているのかよく分からん」っていう人は、一度考えてみてもらいたいなと思いますし、思い付かない人は、とりあえずMACDから勢いの沿道というんですかね、トレンドの勢いが継続しているのか・失われているのか、っていうようなところをまず知る…っていう目的で相場を監視してみて。

そうしていく中で、意外と「勢いよりもこっちの方が知ることが出来るな」みたいな、何か新しい発見があったりするかもしれないので、1つ、とりあえずのガイドラインとして「MACDから速度を測る」っていうことをやってみて、その中で新しい発見などがあれば、その方向でやっていくのも有りだと思います。

正解は無いんですが、自分の中で「こうだと思う」っていうもの無しに使うものでもない…というのが、相場分析とかインジケーターの考え方だ、ということですね。

是非、それを大事にしてもらいたいなと思うんですけれども…。

MACDで速度を知れることからどういう応用ができるか

脱線したんですけど、例えば、「速度を知れることからどういう応用がなされているか」っていうところも話をしておくと、例えば、グランビルの法則とかでエントリーをする、という人がいたとします。

「ローソク足が移動平均線の上から下に抜けるような場面で取っていく」

…という基本に忠実なグランビルの法則的なエントリー方法ってあるんですけど、その瞬間に入るも良し、その瞬間ではなくて、「グランビルの法則という1つのシグナルを観測した後に、勢いがついてから入りたい」みたいなことがあったりするかもしれません。

そういった時に、その「勢いがつく」っていうのを何で判定するかっていうと、MACDだったりする…っていうことですね。

こういったところ…上から下に抜けているところ、ありますけれども、MACD自体はまだこのシグナルラインよりも上で推移していますよね。ここからヒストグラムを抜け始めて、シグナルラインを抜けるような場面というのが出て来るんですけど、こういったところでショートエントリーをとる…というようなやり方をする人がいます。

これっていうのは、「移動平均線をグランビルの法則で上から下に抜けて、その後勢いがついたところで入りたい」という、「その勢いを観測した上でのエントリーをしたい」っていう人が、フィルターというかね、エントリーの根拠をより増すものとして、そのためのツールとしてMACDを使っている、ということなんですよね。

そんな使い方もありますし、あとは人気の使われ方として「ダイバージェンス(価格とオシレーター系指標の値が逆行する現象)」、これを観測して逆張りするっていう方法があったりしますけれども、例えば近くだとこの辺りがダイバージェンスになっていますけれども、安値更新、下にしてますよね。

MACDの方を見ると、その安値更新がMACDの方には出ていない…というような状況になっています。
これは一般的には、これは今下降トレンドですけれども、この中において、「上昇への転換の兆し」だという風に言われるのが一般的です。

それがなぜかということを深く考えたことがあるかどうか、っていう話なんですけど、じゃあ「これがなぜ反転のサインになるか」ということを一応解説してみると、ダウ理論なんかから行くと…、ダウ理論の6原則のうち、6個目の原則の中に、

「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」

…っていうようなやつがって、それから「トレンドの定義とは」って言った時に、安値が下に更新していて、高値も一緒に下に更新していると下降トレンドだし、その逆は上昇トレンドですよ、っていうような帰結になる…トレンドの定義がそういう風にされたりするんですけど、それで行くと、この形というのは「下降トレンドはまだ継続している」っていうことになるわけですね、安値が下に更新していますので。

ただ、そのダウ理論で言った時に、形式的には「下降トレンドは継続している」んですが、勢いを表すMACDを見るとどうなっているかというと、「勢いは更新していない」んです。

ここの下げた時の勢いよりも、こっちで下げた勢いの方が小さくなっている。…「勢い」というのがこの平均線の乖離幅で定義した時は…という話なんですけど、ということは、一応まあ誤魔化し誤魔化し…と言うんですかね、下降トレンドは継続しているんですが、その勢いはもう失われている、これは「この継続は、長くは続かないんじゃないかな」ということがここから推し測れる…というので、このダイバージェンスっていうのが反転のサインとみなされることが多い、ということなんですよね。

まとめ

はい、そんな感じで、久しぶりに何かこういう基礎的なことを解説したような気がするんですが、MACDについて簡単に解説させてもらいました。

何度も言いましたけれども、これは僕の考えなので、皆さんも一生懸命MACDを分析すると、もしかしたら違った答えが出るかもしれないです。

なので、とにかく表示してみて、手元で計算してみて、値動きを見てみて…っていう、この「自分でいろいろ確かめる」っていうことを是非大事にしながら、MACDを観察してみてもらいたいな、研究してみてもらいたいな…と思います。
はい、以上になります。

はい、如何だったでしょうか? MACDについて解説させてもらいました。

MACDというのは移動平均線…短期線・長期線の乖離幅を表示するもので、あと順番も分かるんですけど、それによってトレンドの方向とその勢い・速度というものが分かるものなんだよ…ということですね。

ですから、それを前提として、MACDの使い方というものを考えていくべきだ、ということですね。そこをしっかりと押さえていっていってもらいたいと思います。

MACDに限らずなんですけれども、インジケーターだったりとか、トレードの手法だったりとか、っていうのは「人気だから」とか「誰かが良いって言っていたから」っていうことで使うのではなくて、そのもう1歩踏み込んで、
「この手法はなぜ効くのだろうか?」
とか、

「このインジケーターはなぜ生まれたのだろうか?」
「これを使うことによって、何を知ることが出来るのだろうか?」
「これを知ることが出来るということは、こういう使い方が出来るんじゃないか?」

…とか、そういう感じで使っていくべきだと思っています。

是非、ご自身のお手元で表示して、分析して、線を引いて、計算をして…ということをやってみてください。

今回の動画はこれで以上になりますけれども、今回の動画が少しでも勉強になった・役に立ったと思っていただけた方は、チャンネル登録と高評価、是非よろしくお願いします。

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はい、以上になります。それでは皆さん、ごきげんよう。