なぜ移動平均線は人気なのか?その秘密とベストな組み合わせ

なぜ移動平均線は人気なのか?その秘密とベストな組み合わせ

 

どうも、メタトレ研究所のHiroです。
今回は、移動平均線の最適なパラメーターについての話をしていきます。

結構前に、移動平均線について割と詳しく解説する動画を撮ったんですけれども、コメントの中で多かったのが、
「パラメーターを教えてくれよ!」
っていうものでしたね。

まあ、気持ちは分かるんですけれども、パラメーターというのは「とりあえずこれ使っておけよ」というのを人から教えてもらってとりあえず使う、というのだと上手くいかないんですね。

「なぜそのパラメーターをとるのか」
っていうことを、自分の中でちゃんとその理由を持っていて、それに従った運用の仕方をする、というのが凄く大事になるわけです。
そういった意図があって、敢えてパラメーターについて言及しなかったわけですね。

それを今回は、敢えてやってみようかなと思います。

「パラメーターはこの値を使ってね」
という動画ではなくて、
「こういう考え方でパラメーターを選ぶと、例えばこういう値になるよね」
という、そういう順番で今日は話をしていく動画になります。

この前の移動平均線の動画の、続編というか、補足編みたいな内容になるかな、と思うんですが、内容としては結構盛り沢山になると思います。

もしかしたら尺が長くなってしまうような気もするんですけれども、まあ一生懸命見てもらえたら凄く嬉しいと思います。
今後の皆さんのインジケーターの使い方・移動平均線の運用の仕方の、1つ参考になる内容になると思いますので、是非期待していてください。

いつものように、この後はキャプチャー動画を見ながら解説していきたいと思います。
一緒に画面を見ていきましょう。それでは、ついてきてください。

 

移動平均線のパラメーターの選び方

はい、それでは移動平均線のパラメーターの選び方、これについて説明をしていきたいと思います。

先に大枠を話していくと、2つアプローチがあります。

「自分はあっちの方が良いな」
とか、
「自分はこのアプローチは嫌いだな」
とか、
「どっちも好きだから上手く組み合わせてやる方法は無いかな?」

…なんてことを考える人はいるかもしれないんですが、いずれにしても、この後の説明を聞いて、ご自身に合ったパラメーターを選べるようになってもらえると良いなと思うんですけど、それぞれのアプローチをとった結果、僕だったらこういうパラメーターになるよね、っていう1つ例を出そうと思います。

その辺も参考にしながら話を聞いていってください。

その例が絶対ではないので、要は同じアプローチをとっていても結果が人によって異なってくると思いますので、あくまで1つの参考例として捉えていただけたら良いかな、と思います。

まず、「その2つのアプローチというのは何なのか」というのを先に言っておくと、1つ目が「時間に着目したアプローチ」です。2つ目が「市場参加者の注目度に着目したアプローチ」…こういった2つの方法がある、ということですね。

それぞれ説明をしていこうと思うんですが、1つ目、「時間に着目したアプローチ」…こちらの方法が、僕、以前に移動平均線について解説する動画というのを結構前に上げたんですけど、あの時の説明に親和性が高いのは、この「時間に着目したアプローチ」ということになります。

「あの時の説明がどんなものだったか」というのを、物凄くざっくり掻い摘むと、あの動画というのは「移動平均線とは何なのか」っていうのを凄く長い時間を掛けて説明しました。

何なのかというと、その移動平均線がとるパラメーター…これが期間を表しているわけですけれども、その期間における市場参加者のコンセンサス、これを線形に表したのが移動平均線ですよ、という説明があったんですね。

そこから考えると、取るべきパラメーターというのは時間的に意味のある数字…これであるべきだ、というのが1つ目の今日の考え方になるわけですね。

「意味のある数字」、「意味のある時間」というのは何なのかというのは、これは人によって異なってくると思うんですが、例えば、今、これ15分足のドル円のチャートを出していますけれども、こういった短いタイムフレーム…いわゆるデイトレードとかスキャルピングとかっていうのをやるような時には、一番重要な時間というのを僕は「24時間」と考えています。

1日以内のトレードをする時に、丸1日の平均約定価格というものを、1つ判断の基準にすべきではないか、と考えているわけです。
そこからいくと、今15分足のローソク足ですけれども、ここに出てくるパラメーターは「24×4=96」っていうことになります。

15分足というのは、当然、15分で1本ローソク足が出るので、1時間で4本ローソク足が出ますね。では24時間になると…っていうことなんですが、これは「4×24=96」っていうことになるわけです。

では試しに出してみますけれども、はい、96SMAですね。こんな感じになります。
これは、何も15分足に限ったことではないんですけれども、この100ぐらいの…あるいはそれ以上のパラメーターをとる移動平均線というのは、割と感応度としては高くはならないですね。ゆったりとした動きになります。

用途としては、どちらかと言うと「方向感」「大枠」を捉える、っていうような用途としての移動平均線になるかなと思います。

まずは、この1本、まず出してみて、この線とローソク足との関係性というのを徹底的に分析する、というところから始めてみてもらいたいと思うんですが、やっぱり運用する上で、これだと短期的な勢いだとか、いざトレードするってなった時のタイミングの取り方というのがなかなか測りづらかったりしますね。

あとは、スキャルピングとかデイトレードをする中で、「ある程度トレード頻度が欲しい」みたいになった時に、なかなか高頻度にタイミングを教えてくれたりとかは出来ないわけですね。

ですから、複数線分析というのを行う人が多くなるのはそのせいかな、と思うんですけれども…。もうちょっと感応度の高いパラメーターの値の小さい、いわゆる短期線というものを足してみる、ということを考えたりするわけですね。

その短期線のパラメーターもやっぱり、同じような考え方で選択していきたいわけですけれども、あまり考え方としては変わらないですね。「意味のある期間」というものをまず考える。で、それに4を掛ければ良い…、ということですけれども。

 

例えば、僕であれば24時間よりも短い期間で意味のある期間…と考えた時に、例えば6時間とか考えたりしますね。
24時間体制で動く為替の市場ですけれども、大きな市場は一般的に4つだと言われています。ウェリントン、東京、ロンドン、ニューヨークですね。

凄く単純な考え方なんですけど、24を4つの市場で分割している、というような考え方をすると、24を4で割って6…というのを考えたらどうかなという、そんな感じで考えたりするわけですね。

この「6」という数字ですけれども、例えば金融市場というのはスケジュールで動いているわけですけれども、例えば、東京証券取引所、株式市場は、9時から15時なので、6時間で運営されていますね。いろんな観点から、「6時間」というのは凄く意味を持っているわけですよね。

なので、6を4で掛けた24、これを短期線として採用してみたらどうかな、ということを検討出来るわけです。こんな感じになりますね。

この線が例えば勢いだったりとかタイミングだったり…っていうのを測るのに1つ使える線ではないかな、と考えたりするわけです。

人によっては、2本ではなくて「3本だよ」とか「5本だよ」とか「7本だよ」とか「15本だよ」とか、平均線の本数って流儀があると思うんですけど、ぶっちゃけ何本でも良いと思っています。

それぞれの平均線にちゃんと役割はありますか?

1つ重要なポイントがあって、それだけは意識してほしいな、というのがあって。
「それぞれの平均線にちゃんと役割はありますか?」
というところですね。

「それぞれの平均線が何のためにのために出ているんですか?」という、それに答えられないような線を表示するべきではない、というのは意識しておいてほしいところだと思います。

よくいるんですけど、
「7本出すと何か虹みたいで綺麗だから」
とかね、
「レインボーって名前付けたいから7本出す」

とか、そういう何か下らない理由で「7本に決めました」みたいな人が…いや、本当にいるんですけど、そういうことではなくて、7本なら7本、それぞれに役割があって、要は、
「必要だから線を増やしていくことになって、結果7本で落ち着きました」

みたいな、そういうことなら良いんですけど、7本ありきで7本出すっていうのは間違いだよ、ということですね。

 

今回であれば、赤い線は「タイミングと勢いを測るためのもの」、黄色い線は「大きな流れ・方向感を掴むもの」として、それぞれ役割があるわけですね。

そういった考え方を大事にして、その中で、「もう1個、こういった役割を持った線があったら便利だよね」というのがあれば、長期線なり超短期線なり、とかっていうのを出していく…っていうことを考えるべきかな、と思います。

それでいくと、今回は大枠、大局と局所的な動向、これらを測りたい…っていう用途が分かれているわけなので、あまり、このパラメーター同士が近過ぎるというのはあまり良くないかな、と思っています。

今回であれば4倍の開きがあります、赤い線が24、黄色い線が96なんですけれども、このぐらい離れていると良いですね。最低でも倍ぐらいは離れていないと…特に2本でやるような場合には、あまり意味を持ってこないかな、という。

たまにいるんですが、移動平均線同士がめちゃくちゃ近くて、「ほとんど同じだよね…」っていうような位置に2本の線なり3本の線が束ねてあって、「これ1本で良くない?」みたいな人がいたりするんですけど、ある程度距離が離れて、違う位置に線がプロットされる…というので、だからこそ意味があるわけですよね。それぞれの役割をこなせるわけです。

パラメーター同士はあまり近いものにならない方が良いな、という、そういうところも何となく頭の中に入れておくと良いと思います。
これが、時間に着目した移動平均線のパラメーターの選び方になります。

「市場参加者の注目度」に着目したやり方

次に、2つ目のアプローチになりますけれども、「市場参加者の注目度」に着目したやり方です。
多くの人が見ていると思われるパラメーターを採用してはどうですか? …というアプローチです。

では、どういう数字が多くの人が見ている数字なのかというと、これは、「移動平均線を使わない人達もそのぐらいの期間というものを意識しているよね」という、そういったパラメーターを選ぶのがベストだと思います。

僕であれば、これは例えばの話を先にしますけれども、「20」というものを結構基準として考えることが多いですね。これは、「20日移動平均線」というのを使う人がそもそも多い、ということもあるんですけど、非常にポピュラーなインジケーターとして、ボリンジャーバンドっていうものを使っている人がなかなか多いですね。

そのボリンジャーバンドのミドルバンドというのが、まあ人によって「21」とか使う人もいるんですが、デフォルトは「20」です。デフォルトのまま使う人が凄く多いですね。

そのボリンジャーバンドユーザーも見ている・意識している、という意味で、例えば「20」というパラメーターを使うということを考えています。

同じ考え方で別の数字になる、ということもあると思います。

例えば、「14」という値もいろんなインジケーターで使われていますね。オシレーター系なんかは凄く多いですよね、RSIとかATRとか、ワイルダー系の…ワイルダーって人が作ったインジケーターなんかは結構「14」を使っていることが多いんですけど、「14」というのを同じ理由から選ぶというのもあるかな、と思うんですけど、今日はちょっと「20」を例に話をしていこうかなと思いますね。

はい、20SMAを1つ基準にしているわけです。

「価格と絡み合いながら動いている」というので、これは先ほどの2つの用途というのを話しましたよね。「局所的な動き」と「大局的な動き」という話をしたんですが、どちらかと言うとこれは、局所的な動きを捉えるためのパラメーターになるかなと思います。
この辺りの数値というのは、1つ、タイミングとか勢いを測るのに使うと良いと思います。

もう1つ、大局を知るために使う線というのを足すとすれば、どういうパラメーターになるかということなんですけど、当然この「20」よりは大きい値を選ぶべきですよね。

なので、今「ボリンジャーバンドで使われているから」という理由で「20」を使っているんですが、ボリンジャーバンドを皆が皆15分足で使っているわけではないですね。人によっては「1時間足を使っている」っていう人もいるでしょうし、「4時間足を使っている」っていう人もいるでしょうし、「その全部を使っている」っていう人もかなりの割合でいると思います。

そういった別のタイムフレームを見ている人のボリンジャーバンドのミドルラインというのを表示すると、そういった人たちの視点もこの15分足に反映することが出来るわけですね。

例えば、今回であれば、1時間足の20SMAというのをここに、大局を見るための長期線として足してみよう、という、そういう考え方をしてみようと思います。

1時間足における20SMAというのは、これ、完全に一致するわけではないんですけれども、概ね15分足における80SMAということになります。

まあ15分で1本、1時間で4本、ローソク足が15分足の中では出るわけですから、4倍すれば1時間足のものは疑似的にここに出て来る、というような、そんな考え方になります。

4×20なので、80SMAになるわけですね。はい、こんな感じになりますね。
…みたいな感じで選ぶ、というのも1つアプローチとして有りかな、と思います。

インジケーターがなぜ効くと考えているか

まあ、今日のこの2つ、アプローチを説明しましたけれども、結局どういったところで2つのアプローチが分岐されていくか…というか、どういう基準でもって選択がされるかっていうと、これはちょっと相場哲学的な話になるんですけど、

「インジケーターがなぜ効くと考えているか」
という、そこに落ち着くのではないかな、と思います。

今説明した「注目度」というのは、「インジケーターがなぜ効くのか」っていう考え方を、
「皆が見ているから効くんだよ」
と考えている人達はこっちを取る、っていう…そういう感じになるかな、と思いますね。

結構多くの人が言いますけれども、
「インジケーターは、皆が見るから効くんだよ」
という、そういう考え方がありますね。

まあ、正解だと思います。
インジケーターが1つコンセンサスを形成するためのきっかけになっている、という。インジケーターが先にあって、それを見てコンセンサスが形成される…そういう順序だと考える人は、2つ目の、この「注目度」に着目した選び方ををすれば良いかな、と思います。

1つ目の「時間に着目したアプローチ」というのは、主にどういう人が取るかというと、
「インジケーターがなぜ効くか」
と訊かれた時に、
「インジケーターに市場のコンセンサスが織り込まれているからだよ」
と考えている人達ですかね。

「先に市場でコンセンサスが形成される取引が行われて、インジケーターというのはそれを記録したものなんだよ」という考え方…そこを重視する人は、「時間に着目したアプローチ」というのを取ると、親和性が高いと思います。

どっちも正解なんですよ。
「ニワトリが先か・卵が先か」みたいな話なんですけど、

「市場で取引が行われて、それがインジケーターとして記録化されます→そのインジケーターを見て新しい取引がされます→その取引がインジケーターの数字に織り込まれます」

…っていう、それが延々と繰り返されて、この移動平均線っていうのも描写されているわけなので、「サイクルとして回っているもののどこを切り取って重視するか?」というだけの話なんですけれども、だからどちらも正解なんですけどね。

どちらを重視するのか、っていうことを基準に選んでみたら良いかなと思います。

「このパラメーターの移動平均線から何を知りたいのか?」
「どう活かしたいのか?」

…っていうところから、あるシステムは今日の時間に着目したパラメーターを使うし、別の手法は市場参加者の注目度に着目した選択の仕方をするし…っていう、そういうことも有り得ると思います。

だから、今日、両方とも説明したんですけど、「両方知った上で適切に使い分ける」っていうのがベストなやり方じゃないかな、と思います。

はい、そんな感じで今日、キャプチャー、ちょっと長くなりましたけれども、内容もちょっと盛り沢山になっちゃいましたけれども、1つ材料にしながら、今後のプランを立ててみてもらいたいなと思います。

なかなか、考え方は理解出来たけれども、これを元に自分で考えるのは難しい…っていう人は、今日僕が例示したようなパラメーターを試しに出してみて、線と価格変動の関係というものをよくよく観察してみる、というところから始めるのも有りではないかな、と思います。

まず1本だけ出してみて、分析して、「あ、足りないな」ということであれば足してみて…っていう、そういう順序でやるのもベストだと思います。是非試してみてください。
以上になります。

まとめ

はい、如何だったでしょうか?
2つのアプローチがありました。時間に着目したアプローチと、市場参加者の注目度に着目したアプローチ、この2つの方法がある中で、それぞれ結果的に、取るパラメーターというのが少しずつ違ってきたわけですけれども、これ、どちらを使っても良いと思います。

ひとたび1つのアプローチを選択したからといって、「一貫してそれを使い続けるのが正しい」ということでもないと思います。

特にシステムトレーダーなんかは、複数のシステムを同時に回すっていうことが結構あると思うんですけれども、あるシステムはこういった場面を狙っていきたいからこっちのアプローチ、ある手法はまた別のこういった優位性を取りに行きたいから、このシステムとは違うアプローチ…という使い分けをするのも、十分に有り得ることだと思います。

今日は考え方の材料的なところと、その結果から「参考例としてこんな値が有り得ますよ」というところまで話をしましたけれども、あまり凝り固まることなく、根本的な考え方を残しながら、皆さんのオリジナルの考え方・使い方というものを自由に考えてやってみてもらいたいなと思います。

はい、そんな感じで今回の動画は以上になりますけれども、今回の動画が少しでも勉強になった・役に立ったと思っていただけた方は、チャンネル登録と高評価、是非よろしくお願いします。

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はい、以上になります。
それでは皆さん、ごきげんよう。