トレーダーはどう生きるべきか?小説「欲望と幻想の市場」は初心者なら読むべき一冊です

トレーダーはどう生きるべきか?小説「欲望と幻想の市場」は初心者なら読むべき一冊です

どうも、メタトレ研究所のHiroです。
今回は書評をお届けする回ということで、僕が今までに読んできた本の中から1冊をセレクトして紹介したいと思います。

今回紹介する本が、こちらです。ジャン!

『欲望と幻想の市場』
エドウィン・ルフェーブルという人が書いた本ですね。

これまで、いろんな本をこの書籍紹介のコーナーで扱ってきましたけれども、いつも、どちらかと言うとトレードのやり方について書いた本…いわゆる「ノウハウ本」というものを紹介してきたわけですけれども、今回紹介する本、ちょっと趣が違います。

どう違うかというと、この本、何と…小説です。

…とはいえ、このチャンネルで紹介しているぐらいですから、
当然トレードについて書かれた小説なんですね。

投機市場で活躍した実在のトレーダーを描いた小説

小説の舞台は投機の市場です。

トレードをやっている人だったら、「既に読んだことがある」って人、結構多そうだな…と思いながら実は今喋っているんですけど、そのくらいこの本は有名で、評価も高い。

例えば周りでトレーダーがいたとして、試しにね、
「トレードを始めようと思うんですけど、お勧めの本はありますか?」

って訊いたとしたら、何人かはこの本を挙げてくるんじゃないかな、と思っています。そのくらいの本です。

早速、この本について…内容について話をしていくんですが、この本に出て来る主人公は、アメリカで1800年代の後半、日本で言えば明治時代ぐらいに生まれた、アメリカのトレーダーです。この人が主人公です。

この人は、後に「伝説の投機王」と言われることになるジェシー・リバモアという人ですね。
この人、実在のトレーダーなんですね。この人の半生を描いた小説が『欲望と幻想の市場』という本なんです。

このジェシー・リバモアっていう人は、物凄いんですね。

この人は、実に4回、4回の成功を収めているんですね、トレードの市場で。その一方で、4回の破産を経験している。

大勝ち・大負けというものを繰り返すわけですけれども、そういった相場人生を通じて、相場についてどう考え、どう学び、どのように戦い方を変えて成功を収めるのか? ということが書いてあるわけです。

小説なんですけど、実在のトレーダーが市場を前にどのように立ち振る舞ったのか、ということが克明に記された小説なので、物凄く示唆に富んでいて勉強になります。

ネタバレになっちゃうので、「最後はどうなるのか」ってことは言わないんですけど、是非、自身で読んでみてください。

ジェシー・リバモアという伝説的なトレーダーが、その半生を通じてどういう風に市場で立ち振る舞ったのか、ということ…これを通じて、自分達が今、目の前の市場に対してどのように立ち振る舞えば良いのか、ということが分かりますから。

欲望と幻想の市場は初心者にお勧めの一冊

特に、初心者の人に読んでもらいたいです。「トレードの世界ってこんななんだな」…もちろん時代背景なんかも全然違います、今みたいにこうやってPC使ってワンクリックで注文出来るような時代とは違います。

…だからこそね、「だからこそ」っていうところがあるんですよ。
目の前で遣り取りをするので、その投機の現場というのは、もう今より遥かに生々しいわけです、臨場感があるんですね。

いつもやっているような、こういう冷たいトレードの感じよりも、臨場感があって、迫力があって、ワクワクする。

キャリアの序盤に読んでいれば、
「こういう風になりたい!」
ということで、トレードに対するモチベーション、高くなると思いますので、是非ね、キャリアの序盤の方に読んでもらえたら嬉しいですよね。

ちなみにこの本、ジェシー・リバモアについて書かれた本なんですけど、リバモア自身が書いた本ではないんですね。
冒頭でも作者名はお伝えしたんですが、この本を書いたのはルフェーブルという人です。

この人はジャーナリストで、この小説っていうのも、元々は新聞に連載されていたものらしいんですね。
そんな彼が、取材を通じて書き上げたというのが、この小説なんです。

驚きなのは、このルフェーブルという人は、実は投資の経験・投機の経験というのが全く無い、そういう人だったみたいですね。

よく書けたな、こんな…っていう風に思うわけですけど。
…というのは、投資の話というのは、未経験者にしてみれば、本当に難しいことばかりですよね。

投資の経験が無い中でも、取材して話を聞いて、資料を見たら、「あ、こういう世界なんだな」っていうのをしっかりと理解して、まとめるということが出来る。これは、物凄い能力だと思います。

話の本題とはちょっとズレるんですけど、そういった彼の卓越した取材能力とか、取材したことを文章にまとめ上げる能力というのは、物凄いものだな、という風に感心させられました。

あと、この本ね、当然和訳されたものなんですけど、この和訳がね、とても良いです、また。
文章が軽妙で読みやすいですね。まず一人称が「俺」ですからね。「俺は…」っていう風に文章が続いていくんですよ。

例えば、この本、24章からなる本なんですけど、序盤の4章の初め…これは、さっき「4回破産した」って言いましたけど、1回目の破産をして、ニューヨーク…つまりウォール街があるニューヨークから地元に帰って来て、再起を図るシーンの冒頭なんですけど、そういうところをちょっと読んでみるとね…。

例えば、
「俺は故郷に帰った。しかし、俺の生きる道はただ一つ。ふたたび金を手に、ウォール街に戻ることだった。俺が思う存分、取引出来る場所は、ウォール街をおいて他に無いのだ」

みたいなね。ちょっとワクワクしますよね。
こんな感じで進んでいくんです、文章が。

だから、結構、多分…どうなんだろう、これ紙で読んだこと無いんですけど、割と長い小説だと思うんですけどね、どんどん読めちゃいます。
もうあっという間に最後まで読めちゃうような、ワクワクしながら「次どうなるんだろう、どうなるんだろう」ということで、しかも勉強になることも沢山あるし、どんどんどんどん読んで、あっという間に終わってしまう、そんな本ですね。

まとめ

そのあっという間に終わってしまうストーリーの中で、ちゃんと頭に、投機に必要な、トレードに必要な、心構えだとか、知識というものが、入ってくるんですよね。

ある程度経験のある人だったら「あるある!」と思ってね…「あるあるだね」っていう感じで読む本だと思うんですけど、何も知識が無い人…これから相場で戦っていきたいけど何も知識が無い人っていうのは、

「カジュアルな形でいろんな考え方とかノウハウを入れたい」っていう時に、この「小説」って形で1つ勉強してみるのも良いやり方だな、と思うわけです。

ですから、レベルは問いません。
読んだことが無い人は、皆読んでもらいたい本なんですけど、初心者の人が読むと、より実りの多い本じゃないかな、と思います。

僕はもう9年やっています…トレード9年やっていますけれども、時々、自分を鼓舞するためにこの本、読んでいますよ。

読むとね、「リバモアみたいに戦いたい」みたいな、「一生懸命相場頑張ろう」ってね。

結構、トレードって、やっていると冷たい日常になってくるわけですね。毎日毎日、機械のように働いて、「何目指しているんだろうな」みたいなことになっちゃったりするんですけど、何かね…そういった自分を奮い立たせる1つの起爆剤みたいな感じで、この小説を読んだりもしています。

そんなところですかね。
いろんな人に読んでもらいたいです。凄く良い本なので、お勧めです。

…というところで、今回の書評は以上になります。是非読んでもらいたいですね。

今回の書評は以上になりますけれども、今回の動画が少しでも勉強になった・役に立ったと思っていただけた方は、是非高評価とチャンネル登録、よろしくお願いします。

この本について分からないことって、多分あまり無いと思うんですけど、それでも何かあれば、僕の方にお知らせください。コメント欄とかTwitterのリプライでも良いですし、質問箱でも結構です、どんどんお寄せください。

ということで、今回は以上です。
それでは皆さん、ごきげんよう。