【暴露】元・証券マンの本音 IPO抽選は『無かった』 出来レースで顧客に貸しを作りたい証券会社の意図とは?

【暴露】元・証券マンの本音 IPO抽選は『無かった』 出来レースで顧客に貸しを作りたい証券会社の意図とは?

どうも、メタトレ研究所のHiroです。
今回は、IPOについての話をしようと思います。

IPOって人気ですよね。人気が殺到して、買える人・買えない人っていうのは抽選によって選ばれる…と思っている人が多いかなと思うんですけれども、「実はそうではない」っていうような話をしていこうと思います。

僕はちょっとだけ証券会社で営業をしていたことがあります。

あまりにもちょっとだけ過ぎるので、もはやパートタイムだったのではないか…と思われるぐらいなんですけれども、元証券営業マンの僕が、今回は、IPO抽選の実態について話をしていきます。

IPOとは?

まず、そもそもの話になるんですけれども、IPOってご存知でしょうか?

これ、略語ですね。「Initial Public Offering」…こういった言葉の略で、日本語に訳すのであれば、「新規株式の上場」っていう感じになるかな…と思います。

いわゆる未上場会社の株式が、初めて取引所に上場する。その後、取引所で取引がされるようになりますよ…というようなイベントのことを指します。

これを知らないと、後の話が一切分からなくなっちゃうかなと思うので、流れをざっくり先に話をしておきたいなと思うんですけれども…。

このIPOっていうのは、大きくは、「①公募、②上場、③その後」…っていう感じで、3つのフェーズに分かれて進んでいきます。

①公募

それぞれについて簡単に解説をしていくと、まず「①公募」というフェーズですね。

当然ですけれども、これまで上場していなかった会社が上場するということは、今後、その取引所で、そこの株式が取引出来るようになるということなので、じゃあその状態を作るにはどうしたら良いかということなんですけど、「市場参加者がそこの株式を保有している」という状態を作らなければいけないんです。

そのために何をするかというと、まず証券会社が、未上場の株式を会社のオーナーから引き受けて、投資家に買って貰う、ということをするんですね。

②上場

その投資家に買って貰う時の価格、「公募価格」と言います。その公募価格で投資家が買って、いよいよ上場の日を迎えます。2つ目のフェーズですね、「②上場」というフェーズに入っていきます。

この、上場して最初にこの取引所で付く値段を「初値」と言います。この初値は、市場価格なので、市場参加者の需給によって決まる値段になります。

ですから、公募価格で買えた人以外…公募価格で買わなかった人、あるいは公募価格で買えなかった人も含めての需給でもって、市場価格が付くわけですね。これを「初値」と言います。

この初値の方が公募価格よりも高かった場合には、その値段で売り抜けたIPO投資家は勝ち…まあ「儲かる」ということになるわけですね。

③その後

この上場がされた後は、3つ目のフェーズですね、さっき言った「③その後」…上場した後、その他の上場銘柄と同じように、取引所で普通に売買されるようになります。

仮に初値が安くても、当然その後もずっとこうトレードされていって、その後、上昇していく可能性もあるっていうわけですけれども。

IPO投資と呼べるのは、今、「3つのフェーズ」という風に言いましたけれども、上場までかな、という感じがしています。

まだ本題に入れていなくて、IPOの概念の説明を簡単にしたわけですけれど。

このIPOというものは、めちゃくちゃ人気があります。

なぜ人気があるかというと、先ほど言った、公募価格で買えさえすれば、大体儲かると思われているからですね。「思われている」というか、実際、大体儲かるんですね。

「どのぐらい大体儲かるか」という話をすると、2019年…去年1年間で、IPOの案件の数としては92件ありました。…内、どのぐらいの案件において、投資家が勝てたと思いますか?

これが何と、77件です。92件中、77件が勝ち案件だったわけですね。

つまりそれは、「公募価格よりも初値の方が高い」ということですけれども…。勝率にすると、何と83%です。

このチャンネルを見てくれている人はほとんどトレーダーだと思うので、この83%という勝率がどれだけ凄いことか、っていうのは十分に分かって貰えるかな、と思うんですけど。

日頃普通にトレードしていても、83%なんて勝てないですよね。

それが、IPOは、買えさえすれば、83%の勝率を実現するということで…。もう、これは実力とかじゃないんで、もはや。

「買えるか買えないか」っていうところだけで決まってくるところなので、要は初心者であろうと何だろうと、買えさえすれば儲かる…という話になるわけです。

故に、人気が殺到していて、なかなか買えない。

要するに、公募で出回る株数よりも、買いたい人の方が遥かに多い…ということなんですね。

当然、人気の案件・そうでもない案件っていうのがあって、期待がよりされている銘柄ほど、より買えない…っていうことが起きます。

…ということで、抽選になります。

「当選した人のみが購入出来ます」という風に一般的には言われているんですけれども、実際は違いますよ、という話なんですね。

実際には抽選は行われなかった

実際には抽選というものは行われていません。
少なくとも、僕がいた支店では違いました、行われていませんでした。

じゃあ、その抽選を行わずに、どういう風に「IPOを買える人」「買えない人」というのを振り分けていたかというと、これはもう普通に、会議で決まっていました。

先ほど言った通り、IPOの勝率は非常に高いということで、証券会社にしてみれば、これはチャンスなんですね。どんなチャンスかというと、「お客様に恩を売るチャンス」なんです。

ですから、ここで儲けて貰って、後でいっぱい、いっぱい、いっぱい、いろんな商品を買って貰おう…という、そういう機会だと思っているわけです。

なので、いわゆる…まあ実際は違いますけど、IPO抽選で当たりやすい人はどんな人かというと、これは、

「今後大きな取引が望めそうな人」
とか、あるいは

「これまでうちで取引していなかったけれども初めて取引してくれた、新規で口座を開いてくれた人」
なんかが、いわゆる“抽選”に当たりやすい人になるかな、と思います。

ちなみに、僕の経験談を話すと、僕が会社にいた中で一番大きなIPO案件は、サントリーフーズという会社のIPOでした。

皆さんもご存知かと思うんですが、サントリーという会社がありますね。あの会社というのは、鳥井さんという創業一家、オーナーが、ずっと株式を持っていて、ずっと未上場企業としてやってきたことで凄く有名ですけれども…。

そのうちの子会社、サントリーフーズという会社が新規に上場する、という年だったんですね。

ちなみにサントリーフーズというのは、皆さんが「サントリー」と聞いて一番最初に思い浮かべる飲料品事業なんかを行っている…まあ一般的には主力と呼ばれているような事業を行っているような事業を行っているような会社だったわけですけれども、そこが初めて上場するよ、という話があったのが、僕が会社にいる時だったんですね。

その時に新規で飛び込みで入ったお客さんが「買うよ」っていう風に言ってくれたんですよね。

その「買うよ」って言ってくれたもんだから、喜び勇んで…僕も若かったですね、支店に帰って上司に報告したんですけれども、思いもよらず、上司からは、逆にこう訊かれてしまうわけですね。

「え、その人、どのくらいお金持ってるの?」
「その人に仮にIPO振ったら、今後どれくらいの取引してくれるのかな?」

とかね、そういう風に訊かれてしまうんですよね。

それに対して、僕は、「ああ、なるほど…そういうことか…」と思って、是非このIPO、振って貰いたいという想いがありますから、その上司に対してプレゼンを行うわけですね。

「今回のお客様、資産はこのぐらいだと思います」
と。例えば、
「〇〇証券をメインで使っていて取引しています。主に〇〇を保有しているみたいで、飲食店を〇店舗持っていて、それからビルを〇棟保有しています」

みたいな…何かそんな感じで、要するに「この人は物凄くお金持ちで、ここでサントリーフーズの株を買って儲けて貰うことが出来れば、今後物凄くデカい取引になるんですよ」というのを上司にプレゼンしなきゃいけなかったんですね。

まあ、一体、自分は誰向けに営業しているのかな…って思ったりもしましたけれども。

少なくとも、ネット証券じゃない、いわゆる古典的な昔ながらの証券会社の営業マンが付いて、電話をしながら、お勧めの株式を推奨して買って貰ったりとか、投資信託をお勧めしたりするようなスタイルの証券会社では、恐らく未だにそういったスタイルが採られているんじゃないかな、と思います。

まとめ

ですから、お金持ちの皆さんは、証券営業マンには、ちゃんと「自分はお金持ちだ」とアピールした方が良いと思います。

で、IPOが当選した暁には、後に勧められるクソ商品をどのように断るか、っていうことも予め考えてからIPO案件をゲットするようにした方が良いかな、と思います…ということですね。

まああくまでも今の話というのは、いわゆる対面型の証券会社ですね。
なので、まあ最近ね…この動画なんか見てくれる人は、どうなのかな、ほとんどネット証券を使っている人が多いのかなとも思いますけれども、そういったところはどういう風にやっているか分かりません。

本当に抽選をやっているかもしれないですけれども、少なくとも、僕のいたところはそんな感じでしたよ、という話をさせてもらいました。

はい、まあ参考までにということで…今回の動画は以上になりますけれども、今回の動画が少しでも勉強になった・役に立った・面白かった…と思っていただけた方は、チャンネル登録と高評価を是非よろしくお願いします。

それから、日々、トレードのシェアっていうものをやっています。「エントリーしました、幾ら幾らです」とか、「決済しました、幾ら幾らです」「損失がこれぐらい出ました」「利益がこれぐらい出ました」っていう話もTwitterの中でしていますので、興味のある方は是非フォローしておいてください。

はい、以上になります。
それでは皆さん、ごきげんよう。