【解説】これ知らないとヤバい行動経済学【行動経済学「直近バイアス」】

【解説】これ知らないとヤバい行動経済学【行動経済学「直近バイアス」】

どうも、メタトレ研究所のHiroです。
今回は、「直近バイアス」について話をしていこうと思います。

良い手法を持っている・期待値の高い手法を持っているとしても、「ここ最近の成績が悪い」ということでビビッてエントリー出来なくなったりとか、EAを止めてしまったりとか…そういったことをしたことは無いでしょうか?

多分、誰もがそういった経験をしたことがあると思うんですけれども、その現象…これについて、行動経済学的な観点から、「それはなぜか」っていうことを今回考えてみる・それを説明してみる、という動画を撮ってみようと思います。

「直近バイアス」といいます。

この直近バイアス、いつものように、非常に抽象的な概念の説明になると思いますので、スライドを作り、具体例を挙げながらこの後説明していきたいと思いますので、一緒にスライドを見ていきましょう。

それでは、ついてきてください。

直近バイアスとは?

はい、それでは直近バイアスについて解説をしていきたいと思います。


「直近バイアスとは?」という話なんですが、1つ目に書きました。
データから考察を行う際に、現在に近いものを重要視してしまう、そういった傾向」のことをいいます。

データから考察を行う際に、現在に近いものを重要視してしまう、そういった傾向

ここで、「データとは?」という話になるんですけれども、これには、日常生活におけるあらゆるものが該当します。…が、トレードにおいては、勝ち負けといった結果とか、日々の値動きといった価格データ、こういったものがイメージしやすいと思います。

例えば、勝ち負けを例に挙げると…その勝ち負けの例を出すと、ということなんですが、皆さんイメージして貰いたいんですけどね、

「1週間トレードしました。週末にその1週間のトレードを評価します」ということになった時に、例えば「5連勝でスタートして5連敗で終わった週」っていうものと、「5連敗からスタートして5連勝で終わった週」、このそれぞれの週を評価する時に、これ、週末の心持ちって全然違うの分かりますかね?

どちらもね、5勝5敗っていう意味では50%の勝率として同じく・等しく評価すべき2パターンの事象列なんですけれども、直近バイアスの影響を受けて、評価が歪んでいるわけです。

つまり、多くの人が、「5連敗で終えてしまった週の方が、5連勝で終えた週よりも印象が悪くなってしまう」ということになるわけです。

これはね、その直近バイアスの分かりやすい一例ではないかな、と思うわけですけれども…。

また、2つ目に書きましたけれども、直近バイアスというのは、先日お話しした「結果バイアス」と相まって、その影響が強まることがあります。

結果バイアスと相まって、トレードに大きな影響を持つ

この前、結果バイアスというテーマで動画を上げたんですけれども、是非そちらとも併せて見て貰いたいと思うんですが、結果バイアスとは、ここでも簡単に話をしておくと、「過去に起きたこと・起こしたことの評価をする際に、そのプロセスよりも、結果の方に極端に重きを置いてしまうこと」を指します。

この結果バイアスと、今回話をしている直近バイアスっていうものが相まって、トレードに、より大きな影響を持つことがあるんだ…っていうことを今話をしようと思っているんですが、

例えば、しっかり検証をしてそのデータから良い期待値を見通せている、そしてまた、その手法を日々使うことによって、実際に日々のトレードを通して見ても、トータル的には勝っている…っていうような、良いトレードの手法、良いトレードのアプローチっていうものを持っていたとしても、こういうことは無いですかね?

「さっき負けたから、ちょっと怖いから入るのやめておこうかな」
…みたいな、

「エントリーするのやめておこうかな」
「早めに手仕舞っちゃおうかな」

あるいは、EAを回している人だったら、ずっと順調に勝って来たけれども、ここ最近3連敗ぐらいした時に、
「ちょっとシステム止めようかな」
とか、そういう気持ちになることって、ありますよね。

これを分析すると、「さっき負けたから」っていうその「さっき」っていう、直近に起きた「さっき」ということと、「負けた」という結果…これ、「さっき」というのが直近バイアスの「直近」なんですよね。

で、「負けた」というのがその結果バイアスの「結果」に当たるわけですけれども。

このように、直近バイアスと結果バイアス、その両方が、トレード中に一気にトレーダーに対して邪魔してくる、っていうことが起こるわけです。

こういうことによって、単体で直近バイアスの影響を受ける・単体で結果バイアスの影響を受ける時よりも、より強い影響力を持ってトレードの邪魔をしてくることがあるんだよ、っていうことを押さえて貰いたいということなんですよね。

こういう風に、直近バイアスは「結果バイアスと相まって、その影響を強める」ことが多いので、直近バイアスと結果バイアスはセットにして覚えておく。

その影響を受けやすい、セットになりやすいものですから、知識としてもセットで頭に入れておくということがお勧めの勉強法です。…ということですね。

それから、ここまで例として挙げてきたものは、勝ちとか負けとか、それから利益とか損失とか、そういったトレードの結果における直近バイアスの例を挙げて来たわけですけれども、これ、値動きの分析においても直近バイアスの影響を受けることがあります。

つまり、その直近データっていうものが、今ね、トレード結果にフォーカスして具体例を挙げながら説明していたわけですけれども、値動きっていうその価格データの分析においても直近バイアスっていうものは起きやすいですよ、ということを言っています。

その例として、これは、「こういうことを言う人は、直近バイアスの影響を受けやすいので気を付けてね」という例として3つ目に書いているんですけれども、

「最近の相場の傾向として~な気がする」って言うことが多いトレーダーの人は気を付けてください、ということですね。

最近の相場の傾向として~な気がする

こういうことを言う人は、恐らく直近バイアスの影響をより受けやすい人ではないかな、と思うわけです。

例えばここ3日間の値動きで、「東京時間に上げて、NY時間に下げる」みたいな傾向があった時に、これが相場に置ける常であるかのような錯覚を起こしてしまったりとか…。

これもやはり、直近バイアスの影響によって現実認識が歪んでいる、ということになっていますので、注意が必要です、ということです。

…ただ、ただね。
今まで、この「直近バイアスは良くないよ」という話をしてきたわけですけれども、時系列的に、現在に近いデータを重要視する、あるいはその一定の重み付けをして捉えるっていうような考え方には、合理性があるのも事実あります。

例えば、遠い過去数十年前の価格データと、ここ3年間の価格データっていうものを、同じウエイトで捉えるのはやはり無理がありますよね。

相場分析の手法なんかを見てみても、そういった重み付けって一般的にされていますよね。分かりますか? これ。
周りに、気付かないだけで、いろんなところにそういったものは沢山あるわけですけれども。

例えば、移動平均線ありますよね。あれを指数平滑にしたりとか、加重平均したりとか…って、いろんな種類の移動平均線出ていますけれども、あれも移動平均線が計算の要素としている価格データを現在に向けて重み付けをしていこう、昔の価格データよりも今の価格データに重きを置こうじゃないか、という考え方からSMAをEMAにしたり、SMAをWMAにしたり、とかっていうことが行われているわけですよね。

これも結構極論になっちゃうんですけれども、そもそも移動平均線に限らず、インジケーターを使うこと自体が、直近データへの重み付けをしていることになります。

まあ、これは極論になっちゃうんですけど、インジケーターというのはどれも、パラメーターを設定しなきゃ計算が出来ないようになっていますよね。

そのパラメーターの日数、それが14だったりとか24だったりとかするわけですけれども、そのパラメーター日数、パラメーター本数から外れた値っていうのは、その分析の対象にしないわけですよね。

だから、そのパラメーター日数を外れて過去に遡った価格データっていうものには重みが無くて、パラメーター日数以内の価格データには重みがある…っていう意味では、これはやはり「多少の直近バイアスが掛かっている」という風に見なすことも出来るわけです。

そんなわけで、直近バイアスというのはそのバイアスの具合が行き過ぎると、トレードの敵にもなり得るんだけれども、一方で、「全部排してトレードをする」ということは、そもそもそういうことをしようと思うと、トレード自体が出来なくなってしまう…ということがあります、っていうことも押さえておいて欲しいです。

バランス感覚が大事

要は、何が言いたいかというと、「バランス感覚が大事」っていう話です。
多くの人は…その直近バイアスを排したらトレードは出来ないんですけれども、多くの人は普通に何も知らずにトレードしていると、直近バイアスが行き過ぎる傾向にある、ということがありますよ、ということですね。

その辺の自覚を持って、この「直近バイアスというものがある」という知識を、転ばぬ先の杖としてしっかりと頭に入れておいていただけると幸いです、ということですね。
ということで、簡単にではありますけれども、直近バイアスについての解説をさせて貰いました。
以上になります。

まとめ

はい、如何だったでしょうか?

直近バイアスの影響を強く受けると、トレードが上手く出来なくなってしまう…ということが伝わればいいなと思っています。

一方で、トレードをする上で、直近バイアスを完全に排除することは、これ、実務上不可能だ、ということも理解していただきたいなと思います。

行動経済学全体に言えることなんですが、こういった学者の人達っていうのは、ある種、無敵ポジションから物を論じている…ご自身はトレードをしていないわけですね、経済行動も大してしていないという無敵ポジションから、無敵モードで物を言っている、というのがあります。

僕達のような必死でトレードをしている人間を、トレードしていない立場から、「人とは愚かである」みたいなことを言っている、みたいな部分があるので、その行動経済学で言っていることを全て鵜呑みにしてその通りにやろうとすると、実務が成り立たない…

っていうのが現実としてはあるので、この辺りは、確かにその行動経済学は正しい、正しいんですけれども、バランス感覚ですね。バランス感覚をしっかりと持って、適切な距離感をとって付き合うのが良いかな、と思います。

その上で、この…「知らないから行動経済学を否定する」ということではなくて、「知った上で、ある程度割り引いて理解して使う」っていう、この…ある種、リテラシーですよね。

そういったものを大事にしながらね、1つ、転ばぬ先の杖として上手く活かしていただければ良いかな、と思っています。

ということで、今回の動画は以上になりますけれども、今回の動画が少しでも勉強になった・役に立ったと思っていただけた方は、チャンネル登録と高評価をよろしくお願いします。

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以上になります。それでは皆さん、ごきげんよう。