【資金管理】勝率の意味分かってないヤツ多すぎです

【資金管理】勝率の意味分かってないヤツ多すぎです

「勝率50%ってことは、2回に1回勝つってことだよね」って思っちゃう奴は、ヤバいよ。

どうも、メタトレ研究所のHiroです。

今回は資金管理についての話をしようと思います。

…久し振りのコレ系の動画になっちゃったな、という感じがするんですけれども。
YouTubeを始めて、1年以上が経ったんですね、気付けば。

途中でいろんな失敗もありながら、多くの人に支えられて今日までやってこれたんですけれども、動画を撮る中で、一番の悩みって、やっぱり「ネタが無くなっていく」ということなんですよね。

でも、話すネタっていうのは、普段この開発をしたりとか、検証したりっていう中で、自然に湧いてくるものだと思うんですけれども、僕がいろいろと欲張り過ぎてしまっていろんなことに手を伸ばしたっていうのと、実は、この前ちょっと入院したり…とかっていうので、健康上のバタバタもあったりとかで、なかなかそういう時間を十分に取れていなかった、っていうのがあって。

でもそれらが一気に今、一段落して、上手くいっていない裁量トレードなんかも辞めて、そっちもシステムにしよう、ということもあって、今、ガンガン開発を前のようにすることが出来るようになっています。

やっぱり、そういう作業をしていると、いろんなことを考えます。

今は、その開発で困ったこととか分からないことを相談出来る人っていうのが、周りに沢山いるわけですね。僕がよく「チーム」って呼んでいる人達のことですけれども。

その、「自分で考える」、それから「人に相談してインプットする」っていうのが、沢山今は出来ているんですね。

そうすると、やっぱり「あ、これ喋っていなかったわ」とか、「これ、もっと発信したいな」ってことが自然と沢山出て来るんですね。

そんなこともあって、最近は話すことが沢山出て来ました。なので、今日はそんな中で、第1弾というので、資金管理についての話をしようかなと思っています。

皆さんは、ご自身のトレードの勝率ってちゃんと把握されていますでしょうか?

「勝率」…これ、資金管理・トレードプランを考える上では必ず使いますので、まず最低限、勝率がどうなっているのか…ご自身のトレードの勝率はどのくらいなのか、っていうのは把握するようにしてほしいんですけれども…。

今日は、その先の話までしようかなと思っています。

勝率を知った上で、これをどういう風に考えて資金管理をするのか、というところ、これについての話をしたいなと思います。

冒頭のコメントでも話をしたんですけれども、勝率、例えば、50%のシステムを持っているとして、これに対してどういう資金管理をするのが正しいんでしょうか、という話ですね。

冒頭コメントではかなり極端な例を用いましたけれども、多くの人が、でも同じような考え方を持ちますよね。

「勝率50%」という結果が得られた時に、「…ということは、これは2回に1回、勝てるっていうことだよね?」っていう置き換え、結構多くの方がすると思うんですけれども。

それ自体は別にね、そこまで悪いことではないんですけれども、問題はこの先です。

「2回に1回勝てるってことは、じゃあ半分リスク取って良いのかな?」…みたいな、そんなこと考えちゃったりしているわけですよ。

「最初に仮に負けたとしても、2回に1回勝つっていうことは、次は勝てるってことじゃん?」みたいな。
「まあ、その半分くらいのリスクは取って良いってことじゃないの?」みたいな。

もっと極端な言い方をすれば、「1回目に勝てなかったとしても、そこで失う金額が口座資金の全部でなければ、次で盛り返すことが出来るんだから、考え方によってはレバレッジを高く掛けられる口座であれば、最初のトレードに対して90%のリスクを取っても良いんだ!」…みたいなね。流石にそんな奴はいないと思うんですけれども。

…そういうような考え方、それに近いような考え方・思考パスを取ってしまうような人がそれなりにいるんですね。

ですから、「それは危ないよ」という話を今日はしたいなと思うわけです。

資金管理ってどうしても、計算問題みたいな話が出て来るので、「嫌い」っていう人も沢山いるとは思うんですけれども、大事な話なので、しっかりと今日は説明していきたいなと思います。

とはいえ、難しい話はしません。

聞いて納得、「そりゃそうだよね」っていうようなことが皆さんに思っていただけるような内容になっていると思いますので、楽しみにしてほしいんですけれども…。

 

如何せん、数字を使う話ですから、こうやってカメラに向かって僕が喋っているよりも、ちゃんとExcelを用意したので、それを見ながら…数字を見ながら皆さんに説明した方が分かりやすいと思いますので、この先は、いつものようにキャプチャー動画を見ながら、数字を実際に見て貰いながら皆さんに説明していきたいと思いますので、この先は、一緒にExcelシートを見ていきましょう。

はい、それではついてきてください。

資金管理の考え方、トレードプランの考え方

はい、それでは今日の資金管理の考え方、トレードプランの考え方についての話をしようと思います。

さっきの、前向きで喋っているところ、画角の中でも、「勝率50%」っていうのは「2回に1回勝つ」ということとは違うんだよ、ということを言ったんですけれども、もしかしたらあの解説では分からない人もいたかもしれないので、あの点についてもうちょっとスライドの方で確認した上で、今日の本題に入っていこうかなと思っています。

「勝率50%」は「2回に1回勝つ」ということとは違います。…ということ、これについての説明なんですけれども、このスライドに書いてありますね。

「勝率50%」=「2回に1回勝つ」って考える人は、今、スライドの方に出ているような表を思い浮かべているんだと思うんですよね。

まあ、見方、分かりますかね? 1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目…から10回目までのトレード結果。勝ちは〇、負けは×として書いている表なんですけれども、こんなイメージを持っているんじゃないかな、と思います。

「×〇×〇×〇×〇×〇」ってやっていて、5勝5敗、勝率50%。
「1回目と2回目」という切り取り方をしても「2回に1回」だし、「2回目と3回目」という切り取り方をしても「2回に1回」だし、「3回目と4回目」を切り取っても…みたいな感じで、コンスタントに勝ちと負けを繰り返すようなイメージでいるんじゃないかな、という感じがするんですけれども…。

まあ、実際はそうじゃないですよね。

バックテストなんかして、結果、勝率は50%ぐらいになるようなバックテスト結果だったとしても、履歴の方に目をやると、別に必ずしも2回に1回勝てているわけではないですよね。

それが、例えばこんな感じになったりするわけですよ。「10回やっても10回とも×だった」みたいな。×というのは負けのことですけれども、10回やってもまだ負けていて、更に10回…要は合わせて20回ですけれども、「20回やってやっと収束しました」みたいなこともザラにあるわけですよね。

これも50%ですからね、勝率。だから勝率50%だからって2回に1回必ず勝てるわけではない、ということなんです。

更に言うと、この水色の事象列、20回を通じて勝率50%に収束しているわけですけれども、10回とか20回やったら必ずこの確率に収束するかというと、それもそうとは限らない、ということなんです。

100回掛かるかもしれないし、200回掛かるかもしれないし、それはもう本当に分からないわけですよね。
ですから、もちろんその回数が増えれば増える程に、その回数の中で確率に収束する蓋然性というのは高くなってくるわけではありますけれども、それだって確実ではないんだよ、ということ。

…これを前提にしてトレードプランというのを考えていかないと大変なことになりますよ、という話を今しているわけです。

じゃあその辺の「収束する・収束しない」具合っていうのは、皆さんの中で、多分肌感覚では、無いと思うんですよね。

僕なんかは、自分の話をすると、この辺の肌感覚を身に付けるのに、まあ今システムトレーダーとして名乗っているので、本当にどうかと思うんですけれども、昔やったこととしては、サイコロを振りまくるわけですよ。

サイコロを振って鉛筆で何の目が出たか書いて、またサイコロ振って、2回目は何の目が出たかっていうのを記録して…っていうのを、あれ何回やった…? 1,000回ぐらいやったかな。1,000回ぐらいやったことがあって。本当にアナログなんですけどね。

すると結構同じ目が連続する局面っていうのが出て来るわけですね。

今見せている表っていうのは、「勝ち」と「負け」という2つの事象しか無いわけですよね。
でも、サイコロって1~6までの目があるので、6パターンあるわけですよ。
6パターンあっても同じ目が4連続・5連続って出たりするんですよね。

…ぐらい、同じ確率の中で、まあサイコロであれば6分の1ですよね。6分の1っていう確率は絶対なんですけれども、そういった確率の中でも、「短い期間」あるいは「少ない回数」っていうのを切り取った時には、その事象が偏るっていうことはザラにあるんだよ、ということが…まあそこまでやった人間は、恐らく肌感覚としてあるとは思うんですけれども、まあそこまでやる人もいないですし、やる時間も無いと思いますので、その辺のところを今日、「どうしたらお手軽に肌感覚として持って貰えるかな」というのを考えて、こんなExcelシートを用意しました。

…じゃん。


こんなのですね。後で1個1個について説明するんですけど。
ちなみにこれ、「自分で用意した」みたいな言い方をしたんですけど、実は「用意してもらいました」。

誰が用意してくれたかというと、まあ、とあるメタトレのメンバーからなんですけど、凄く数学が得意なんですね、彼。で、凄く僕にいろんなことを教えてくれることも多くて。

いつもその話が面白いのでね、本当はここで彼自身が喋れば良いと思っているぐらいのものなんですけれども、あまり彼自身が、自分が目立つのが好きじゃないみたいなので、僭越ながら、僕がこのシートを借りて、皆さんに説明しようかなと思っています。

講演会なんかで、そういう場に呼ばれて、人前で話をする時も、時々こういうExcelのシートを使って話をすることがあるんですけど、この手のが出てきた瞬間に、皆さんの顔に蕁麻疹が出来始めるのが、前から見ていると、見えるんですね。

重症者に至っては、途中でこのExcelを見るのが辛くて気絶しちゃうような人もいるんですけれども。
こういうのって、パッと見、難しく見えるだけで、大体の時はそんなに難しくないので、安心してください。

このシートも、決して難しくありません。
だから、安心して一生懸命話を聞いて欲しいなと思うんですけれども。

ぶっちゃけね、僕自身もそんなに数学が強いわけではないから、まあ苦手な人の気持ちもよく分かるんですよね。

よく分かるから、なるべくそういう人に寄り添った説明を今日もしようかなと思っているので、そのつもりで安心して聞いて貰ったら良いなと思うんですけど…。

こういうのが苦手な人、こういうのって、何が苦手かというと、まず表が苦手な人っているんですよね。
表が苦手な人は、まず、表の縦と横が何を表しているのか、っていうのをまず確認した方が良いかな、という感じがします。

勝率50%のトレードの理論的な事象列

表、これ、1、2、3、4、5…これも表って数えると6個なんですけど。まず1個1個見ていきましょう。

そうだな、どれから見ていこうかな…これから見ていこうかなと思うんですけれども。

この表は何を表しているかというと、ある確率の、ある勝率のトレードが行われて、それが理論値通りに進んだ場合っていうのが、どういう感じの勝ち負けになるか、どういう感じの損益になるか、というのを表しているものです。

今回はどういう勝率の理論値を出しているかというと、勝率が50%のトレードっていうのをここで表しているわけですね。ここに「勝率50%」って書いてあるので、ここが勝率50%のトレードの理論的な事象列っていうのが出ているわけです。

勝率50%なので、ここ、まあ縦横で言うと、この数字っていうのがトレードの回数ですね。1回目から100回目まで、100回トレードしたよ、っていうのを書いてあります。

勝率50%なので、その内の50回、勝てているわけですね。

今日の話は、その「100回トレードして勝率50%だからと言って必ずしも50回勝てるわけではないよ」という話をするんですけれども、まずはその比較対象として、「理論値通りに進んだ場合」っていう表をここに出しているわけです。

ですから、この表の中では、勝率50%のトレードは理論値通り50回勝っていて、残りの50回は負けている、という数字になっているわけですね。

この列っていうのは、勝ったか負けたかが書いてあります。良いですか?
それから、それぞれのトレードにおいて、幾ら儲かって、幾ら損失が出ていたのか、っていうのが、この「収支」というところに書いてあります。
勝った時には12万円利益が出ています。負けた時には10万円負けていますよ、という風になっているわけですね。

だから、…「だから」って言うか、まあ、こっちを先に入力しているんですけど、勝率は50%ってここに書いてあるし、勝った時に12万円、負けた時に10万円なので、リスクリワードは1.2ということになるわけですね。
リスクリワードというのは、勝つ時の平均勝ち金額を、負けた時の平均負け金額で割る数字なので、リスクリワードが1.2になっているわけです。

まあ、普通に言ったら、一般的な人は勝率50%でリスクリワード1.2っていうようなトレードがあったとしたら、これはもうまずもって100回ぐらいトレードしたら負けないよね、って思うはずなんですよね。

多分そういう風に言っている人って沢山いると思うんですけれども、実際のところはどうなんでしょう?
確かに理論値通りに行けば、勝つ時に12万円、負ける時に10万円、半分勝って半分負けるので、利益は残ります。

具体的にどのくらい利益が残るかというと、まあ「2万円×50」…その計算式を出すと訳が分からなくなるかもしれないので、まあ、100万円、利益が出るわけですね。

一応計算式、話をしますか。勝ちの合計が600万円になるわけですね。12万円×50回なので…ここの分ですね、上まで引っ張りませんけれども。この部分を1までやっていくと、12万円×50回なので、600万円になるわけですね。

負けの方は、10万円×50回なので、500万円になるわけですね。
「600万円-500万円」で、損益残りとしては、100万円が純利益として残りますよ…ということになります。

まあ一応プロフィットファクタっていうものも書いたんですけれども、プロフィットファクタっていうのは総利益を総損失で割ったものです。

ですから、今回で言うと、総利益っていうのは「12万円×50回」なので600万円です。
総損失というのは、「10万円×50回」なので500万円です。

「600万円÷500万円」なので、1.2になりますよ、ということになるわけですね。プロフィットファクタというのはそういう数値です。

繰り返しになるんですけど、一般的なトレーダーの人というのは、この数字を見た時に「まあ、100回もやれば負けないでしょう」と考えるのが、多分、多数じゃないかなと思うわけです。

実際のトレードで理論値通りの結果になるか?

実際のところ、これがどうなるんでしょうか、というところですね。

実際にトレードする中で、本当にこの理論値通りになるんでしょうか?
100回トレードしたら理論値通りの数値が出るんですか? あるいは理論値以上の数値が出るんですか? …っていうのをシミュレーション出来るようにした表っていうのが、こちらの隣の表になります。良いですか?

だから、「シミュレーション」って書いてありますけれども、これ、どういう風になっているかというと、ここに訳の分からない、沢山小数が書いてあるんですけれども、これはランダムに数字がコロコロ変わります。どの範囲で変わるかというと、0~1の間でランダムな数字がコロコロ出る、という感じです。

試しに、どんな動きをするのかっていうのをお見せしたいんですけど、ランダムっていうのがどういうことなのかっていうのだけここで分かって貰えれば良いと思うんですけど、こんな感じになりますね。

コロコロコロ、と、ランダムな0~1までの、ランダムな数字がこう次々出て来る、と。
まあ、これをサイコロみたいな感じで使っていこう、という意図でこういう数字が出ています。

今回は、勝率50%の手法についてのシミュレーションをしたいということなので、ここに勝ち負けの判定をさせているんですけれども、0~0.5までの数字が出た時を「勝ち」と見なし、それ以上の数字が出た時を「負け」と見なす、という風なロジックになっているわけですね。

こうすることによって、勝率50%のサイコロ、疑似的なサイコロをここに作ることが出来た、ということですね。

当然、サイコロなので、必ずしもこの100回の中で50%の確率・勝率が出るかと言えばそうではない、ということなんですね。

その不確実具合というか、偏り具合というのを皆さんに実感して貰いたいわけです。
今、実際にコロコロ動かしてみようと思うんですけど、たまたま今回のやつは「78万円勝てた」という結果になっているんですけど、これをこうやって何回もやっていると、この回では100万円勝てています。理論値通りの数字が出ているわけですね。今回は上振れていますね、188万円勝てていますよ、と。

でもたまにやっぱりこうやって負ける時があるわけですね。
さっき188万円勝っていたんですけれども、同じ確率のロジックが…同じ確率・同じ勝率・同じリスクリワードのロジックが、時と場合によっては「-54万円」っていう数字が出ることもあるわけですよね。

何で54万円の負けになっているかというと、確かに勝率50%にしかならないサイコロではあるんですけれども、それが100回という数字の中で…100回という回数の中では、収束せずに、この1ユニットって言うんですかね、この一連の100回のトレードでは負けの方が多くなってしまった、ということなんですよね。

そんなことがここで分かるわけです。
場合によっては、こんな風に、230万円負けちゃうような場面もあるわけです。初期資金100万円ですから、飛んでいますよね。

ちなみに、そうだ、言い忘れた。言わなくても分かった人もいるかもしれないんですけれども、今回のトレードというのは「初期資金100万円」って今言ったんですけれども、それに対して1回1回のリスクっていうのを10万円に設定しています。

ですから、負けた時の負け金額っていうのは10万円になっていて、勝った時にはリスクリワード1.2なので、12万円の勝ちになっているわけですけれども。

そんなロジックの中でも、負けが込めば、100回やって「-230万円」なんてことも起こり得る、ということなんですよね。

こんなコロコロやっていても、実際、じゃあ100回やって勝てる確率と、100回やって勝てない確率、どんなもんなの? っていうのが見えてこないと思いますので、その辺の集計もここに出してみました。

確率分布を見てみると・・

こっちの表が「確率分布」っていうやつなんですけれども、これは「勝ち数」・「発生確率」・「累積発生確率」・「収支」という風に出ているんですけれども…。

「勝ち数」というのは「100回やって0回しか勝てない確率は何%の確率で起きますか」…これはもう「0.00何%」ってレベルで少ないですよね、っていう感じです。

「100回やって1回しか勝てない確率はどんなもんですか?」…これも同じく、0.00何%しか出ないですよね、っていうような感じです。

この「0.00何%」っていうのと「0.00何%」っていう、この2つの行の確率を合計したのが「累積発生確率」の方になっていきます。

だから、こことここ(勝ち数0と1の発生確率)を足したらここ(勝ち数1の累積発生確率)になって、こことこことここ(勝ち数0と1と2の発生確率)を足すとここ(勝ち数2の累積発生確率)になる…というような作りになっています。

実際にこの勝ち数しか勝てなかった時に、そのトレード…一連の100回のトレードの総損益はどうなりますか? というと、この金額になりますよ、という話です。

100回トレードして1回当たり10万円、負ける時には10万円負けるというトレードをしていて、100回とも負けちゃったら1,000万円負けますよね、ということが書かれているわけですね。

当然勝ち数が増えていけば、ここの損失というのは段々小さくなっていって、最終的にはプラスになっていくわけですけれども。

そんな表の作りになっているわけですね。

勝率50%、リスクリワード1.2というシステムを回して100回トレードした時に、その100回終わった時に、損益がまだマイナスである確率っていうのは、18.41%あるということなんですよね。

だから、「まずもって負けないだろう」と思う、っていうのは、少なくとも間違いだということです。

100回やっても収束しない可能性はあるし、まして、収束しないどころから、最終的にプラスにすらならない確率というのが実は18.41%もあるということ。

…これをしっかりと押さえておかなきゃいけない、ということなんですよね。

それを、当然ね、そんなに確率は高くないんですね。
やっぱり勝率50%を維持しながらリスクリワードを1.2にしているわけですから、当然、その勝てる確率の方が高いわけですけれども、「絶対に勝てるというわけではない」ということをしっかりと押さえるべきだな、というわけですね。

その辺、まあここから先はプラスになっていって、その46回勝てる確率は5.8%、47回勝てる確率が6.66%、当然50%の確率っていう手法ですから、50回勝てる確率っていうのが全体の中で一番高い確率を出してくるわけですけれども、具体的には7.96%ということになるわけですね。

まあ、ここから先は全部プラスなので、これを足し算して、81.6%ぐらいですか?
81.6%の確率で、裏を返せば100回やった時にプラスになっているわけですけれども、その両方をしっかりとバランス良く見ることによって、資金管理は考えていくべきじゃないかな、と思います。

はい、この辺のそれぞれの確率1つ1つを棒グラフ…ヒストグラムにして表示したものがこんな感じになります。


ここまで、左から見て行ってここまでが、「勝てない確率」です。「100回やってもプラスにならない」という確率をグラフにしたもの、ということになりますね。

「収支分布」という書き方をしていますけれども、まあ色変えても良かったかもしれないですけど…まあ、ここら辺(横軸の数値がマイナス)までですね。この辺から左が勝てない発生確率っていうことですね。
ここから右側(横軸の数値がプラス)が勝てる確率、ということですね。

だから、これを見て、「やっぱり結構勝つじゃん」と思うか、「意外と勝てないんだな」と思うか、というのはそれぞれの主観だとは思うんですけれども、とりあえず極端に「勝率50%、リスクリワードは1.0より高くしておけばまず負けない」っていう極端な考え方をしていた人っていうのは、これを見ると、今までよりもネガティブな方に思考を転換する、というような決め手になると思うんですけれども。

まあ、もう1ケースぐらいやってみると、「『指定勝率でも、リスクリワードレシオをしっかりと取っておけば間違い無い』と思っているパターン」みたいなのもやってみると…。

例えば勝率が30%でリスクリワード2.5みたいなね。

引っ張ることによって勝率を犠牲にして、プラスを残す…みたいなパターンでいくと、こんな感じになるわけですね。

理論値としては、一応これでも50万円利益が残ることになっているわけですよね。
「100回やったら、理論値的には50万円利益が残るので、まあまあ見込みがあるだろう」みたいな感じになると思うんですけれども、こういったロジックの場合は、100回やった時のバラつき具合というか、プラスになれない具合というのがかなり増して来てしまいます。

まあ、こんな感じですね。20万円負け、85万円勝ち、55万円負け、365万円勝ち、55万円負け、20万円負け…みたいな感じで、このバラつき方が凄くなってしまうわけですね。
そのバラつきっていうのを実際に数値化するとどうなるかというと、「勝率30%・リスクリワード2.5」っていうロジックを100回回した時に、「マイナスで終わってしまう確率」というのが、ここですね…37.68%あります。

ですから、もしもご自身の手法がこんな感じだった場合には、100回やっても、その100回っていうものを1ユニットと考えた時に、3回に1回ぐらいは、100回やっても未だマイナスになっている状態になってしまう…というぐらいの認識でいた方が良いんじゃないかな、ということが考えられるわけですね。

まして、「3回に1回勝てるんだから、資金の3分の1ぐらい割いても良いんじゃないか?」みたいな考え方は、非常に危険である、という風に言えるわけです。

今回のこのトレード、ロジックっていうのは、100万円に対して1回のトレードリスクっていうのを10万円にしているわけですけれども、それでも、例えば100回終わった時に、100万円以上の損失が出る確率っていうのが16.31%あるわけです。

ですから、初期資金に対して10%のリスクであっても、これはもう「明らかに過大である」ということが言えますので、この辺のところはしっかりと押さえて、資金管理を考えるべきじゃないかな、と思います。

この話の中で気付いた人もいるかもしれないんですけれども、「勝率・リスクリワード論争」ってありますよね。

…あるんですけれども、まあ要は「勝率が高いシステムの方が優秀なのか、それとも勝率が高くなくてもリスクリワードが高い手法の方が優秀なのか」っていうような論争があると思うんですけれども、この資金管理という面で言えば、これ、勝率が高い方が資金管理は圧倒的にしやすいです。

なぜならば、100回なら100回、1,000回なら1,000回、トレードをした時の、バラつき具合…損益のバラつき具合っていうのが、勝率が高い方が小さくなるからですね、バラつきが小さくなるから。

小さくなるっていうことは、どういうことなのかというと、資金管理が考えやすくなる、リスクを大きく取りやすくなるっていうことです。

ですから、特に今そんなに大きな資金を回しているわけではない、小さな元手から大きな資金を目指して、「大きなリスクを取りたい」という人は、勝率系の手法と、リスクリワード系の手法、どちらを取るかといったら、これは勝率系の手法を取るようにした方が良いです。

じゃないと、このバラつきが大きくなり過ぎて、結局大きなレバレッジを掛けたりすることが出来なくなりますから、まずは「勝率か、リスクリワードか」っていう意味で言うと、まあバランス感覚はありますよ、最低限のバランス感覚はあるにしても、どちらかと言うと勝率を重視したシステムの選択をする、というのが賢明じゃないかな、という風に思っています。

まあ、既に結構脱落している人がいたら嫌だな…と思いながら話をしているぐらいなんですけれども、かなり話が混み入って来たので、今日はこのぐらいにしておこうかなと思うんですけれども…。
ちょっとコミュニティの方では、もうちょっと詳しい話もしていこうかな、と思うんですけれども…とりあえずYouTube向けにはこういった話が初めての人もいるでしょうから、このぐらいにしておこうかなと思います。

まとめ

はい、今日の内容、どうですかね?
レベルが高いのか低いのか、っていうのもちょっと分からないのですけれども、上手く使いながら、吸収して、ご自身のトレードに活かしていただければと思います。
はい、以上になります。

はい、如何だったでしょうか?
「勝率50%=2回に1回」…っていう、これをね、「単純化」っていう風に呼んだりするんですけれども。
「物事を単純化して理解する」というのは、多くの場合は便利です、大抵の場合は効果的なアプローチなんですけれども、勝率を見て資金管理を考える時には、こういう単純化っていうのはあんまり良いことではないんだね、っていうことが分かっていただけたら嬉しいなと思います。

単純化っていう側面から、勝率の落とし穴っていうのを説明したわけですけれども、これ系の間違いを防ぐ方法として、「ギャンブラーの誤謬」っていう言葉も押さえておいて貰えると良いかな、と思うんですけれども。

「ギャンブラーの誤謬」っていうのは、ある、この事象列というものが極端に少ない回数の中で、その確率への収束を見せるだろう、という風に考えてしまう、ということを指します。

例えば、勝率50%の手法が3連敗していると、「勝率50%なんだから、そろそろ勝ちが出るだろう」みたいな。4回ぐらいしたところで、「その連敗は止まるだろう」みたいな風に考えてしまう。…そんなことが「ギャンブラーの誤謬」なわけですね。

実際に物理的に、本当にコインをこう投げてその表裏を集計する、みたいなことをやると分かるんですけど、普通に連続します。「表表表表…」って、凄い「表」が連続することってあるんですよね。

…にも関わらず、「そんなに表が続くわけ無いだろう、確率は収束するんだから」って3回しか投げていないのに思っちゃったりする、っていうのが「ギャンブラーの誤謬」です。

行動経済学とか、そういった側面から、「人間は間違うものですよ」という説明をするような動画、今まで撮ったんですけれども、それと似たような考え方で、今日の勝率の落とし穴というのも説明することも出来るので、今日の話が分かって、尚且つ余裕がある人っていうのは、「ギャンブラーの誤謬」という言葉も併せて覚えておいて貰えると嬉しいかな、と思います。

ちなみにその「ギャンブラーの誤謬」の「誤謬」っていう言葉もあったりしてややこしいんですけれども、まあ余裕がある範囲で、そういったことも併せて、今日の動画をきっかけに、余裕がある人は勉強してみて貰えると良いかな、と思います。

トレードをする、あるいは検証をする、その数字をしっかりと記録するっていうことは、大前提として凄く大事です。

ですが、その記録をした数字を計算する過程において、見えなくなってしまうことっていうのもあるんですよね。

今回の話で言えば、勝率っていうのは、その「勝ち」「負け」「勝ち」「負け」あるいは「負け」「負け」「負け」「負け」、「勝ち」「勝ち」「勝ち」「勝ち」、まあいろんな勝率の元になる事象があるわけですよね、「勝った」「負けた」っていう。

「そういったものを全部ひっくるめて数字にする」っていうのが、「勝率を割り出す」っていうことなんですよ。

数字になってしまうと…一旦数字になってしまうと、個々のトレードの結果が勝ちだったか・負けだったか、ということはもう記録にならないわけですね。その勝率からは分からないわけですよね。

だから、その勝ち負けっていう事象が見えなくなってしまったこの「勝率」っていうものを、間違って読み解いてしまうと、結果、間違った判断に繋がってしまうんだよ、ということ。
…そういったこともあるんだ、っていうことですね。

数値化することは大事。
でも、数値化によって見えなくなることも同時にある。
…これを、しっかりと今日の動画の中で感じ取っていただければ幸いです。

 

はい、以上になります。

今回の動画が少しでも勉強になった・役に立った、と思っていただけた方は、チャンネル登録と高評価、是非よろしくお願いします。

まあこんな感じで、今日久し振りにちゃんとした動画…まあ今までちゃんとしていなかったわけではないんですけれども、ノウハウを提供するような動画を久し振りに撮ったんですけれども、こういった動画をまた今までのように増やしていきたいなと思っていますので、是非楽しみにしていてください。

それでは以上になります。
それでは皆さん、ごきげんよう。