なぜシステムトレードなのか -検証の効率化-

裁量トレードにおける「検証」
トレードをする上で「検証」は
実際に相場をウオッチして取引するよりも
重要な作業でしょう。
検証で一定の期待値が望めるという見通しがたって
初めて実際に運用をすることができます。
(ただし手動でその通りにオペレーションできるとは限らない)
一般的に裁量トレードの検証は
フォレックステスターやトレードインターセプターなどの
シミュレーションソフトを使って行います。
ぼくもこれらのソフトを擦り切れるほど使いました。
新しいアイデアが浮かんだらとにかく検証。
1手法・1パラメータにつき
最低5年分のヒストリカルデータかつ最低300取引のデータどり。
どんなに気合を入れても
「1つ」の検証に3日はかかります。
しかも大抵のアイデアは空振。
思ったような期待値など出ません。
さらに
一度テストした手法の
パラメータ値(例えば決済値幅や保有期間など)を変更したり
フィルターを足したりすれば再度検証をする必要があるし
これらの組み合わせ方を考えるとき
その数は膨大なものになります。
稼げるトレードアプローチは
このような作業によって積みあがる
膨大な「ボツ」を乗り越えて開発されるものであり
検証を手動でモタモタやっていたのでは
いつになったら
勝てるトレードアプローチを構築できるか
分かりません。
勝ち組トレーダーになるためには
検証の効率化は不可欠といえるでしょう。
システムトレードにおける「検証」
当たり前の話ですが
コードさえ書ければ
検証作業は自動でできます。
つまり極端な話
昼間にコードを書いて
夜寝ている間に検証データを収集する
なんてことも可能なわけです。
フォレックステスターの画面を睨みながら
Enterキーを連打する必要はありません(笑)
しかも上記に挙げたような検証作業にかかる時間は
たいてい数分から数時間。
圧倒的に時短ができます。
ちなみに
為替の場合は取引プラットフォームの中に
テスト環境も組み込まれており
長期の価格ヒストリカルデータも
容易に入手できます。
また
取引手法内にパラメータがある場合
これらの値を総当り的に検証することもできます。
正確なテストの難しさ
検証をシステム上で行うことの一番のメリットは
正確な結果を得られることにあります。
「これはイケるかも」という手法を思いつき
更にシミュレーションソフトを使って手動検証し
そこで良い結果が得られたにも関わらず
同じ手法をシステム化してバックテスト検証を行うと
資産グラフがなんとマイナスになった!
なんてことはザラです。
思うに
人間には自身のアイデアや技術に対する
追認バイアスがかかっていて
この影響が
手動テスト中に出ているのではないかと思うのです。
例えば
これはある程度の検証経験がないと
分からない話かもしれないですが
フォレックステスターなどを使って
高速で流れるチャートを眺めていて
一旦見送ったポイントに再度戻って
エントリーしたことはありませんか?
「あ、ここもエントリーポイントだった」
みたいなこと言いながら
BackSpace連打ですね。(笑)
あの場面で
「ポイントまで戻る」or「そのまま見送る」
という判断をするとき
恣意的な選択判断を行なっている可能性があります。
このように手動検証には
恣意的判断の介在する余地が残るので
得られる結果に誤差が生じやすくなります。
そして大抵
この誤差はポジティブ側に寄るので
本来「ボツ」となるべき手法が
採用となってしまう可能性が高まります。
危険ですね。
一方で
システムは良くも悪くも
開発者の願望を汲み取りません。(笑)
検証中
望もうと望むまいと
決めた条件に合致する場面では取引するし
合致しなければ見送りです。
そうすることで
正確な検証結果が得られ
ダメな手法はしっかりボツになるので
本当に良いトレードアプローチが
どのようなものなのかを知ることができます。
冒頭に述べた通り
検証は非常に重要かつ大変手間のかかる作業です。
一生懸命行なった検証の結果が不正確だったら
こんなに悲しいことはありませんね。
まさしく
非効率の極み
人生の無駄遣いです。
そんなことにはなりたくない!
と考えたことが
僕がシステムトレードを取り入れた理由の一つです。
あんまりやってもクドイので
次回でこの類の話は一旦終わりにします。
では。
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