【検証】RCIを使って勝てる手法を考えてみた

【検証】RCIを使って勝てる手法を考えてみた

今回はRCIを使ったトレードについて考えてみたいと思います。

 

RCIの基本的な概念について説明した動画を撮りました。

その中で、本当にシンプルなRCIだけを使ったトレードの検証データというものも共有させてもらったんですけれども、あれだとあまりにも単純すぎる、RCIの魅力・強みを十分に発揮出来ていなかったな、というのがありますので、今回は「RCIをどのように使うのが良いのか」というところまで含めて検証する動画を作ろうと思いました。

早速、画面を見ながら「RCIをどうやって使うのか」ということのヒント、こちらを探っていこうと思いますので、一緒にモニターを見ていきましょう。

それでは、付いてきてください。

RCIを使ったトレードロジックの検証

それでは、RCIを使ったトレードロジックの検証をやっていきます。

以前に、RCIだけを使ったトレードの検証というのをやったんですけど、それ、覚えていますかね?

基本的なトレードのトリガーは一緒です。「-80以下」の、この売られ過ぎ圏から売られ過ぎ圏の外までRCIが戻って来たところでロングエントリーをしていきます。買いに関してはこれですね。

売りに関しては、買われ過ぎ圏…つまり「80以上」のRCIの値から「80以下」に戻って来たところ、反転を見せたのを確認してからショートエントリーですね。

こういうトリガーでやっていきます。

 

決済に関しては、その持ったポジションがショートである場合はRCIが売られ過ぎ圏、つまり「-80よりも下」で、ローソク足が引けたところで決済をしていきます。

逆に、ポジションがロングの場合は、RCIが「+80以上」になったところでローソク足が引けたら、そこで決済です。

 

これが前回の検証の時のロジックだったんですが、これに加えて今回、フィルターを2つ足そうと思います。

 

もう出ているんですが、フィルターは移動平均線です。

移動平均線、パラメーター20というのと、パラメーター80というのを足しています。

 

20というのは、なぜ20かというのを簡単に説明すると、最もよく使われているパラメーターだからですね。

その証拠に、ボリンジャーバンドをはじめとするいろんなインジケーター、移動平均線をベースにしたインジケーターも結構20って値を使ったりしていますよね。

 

僕は結構、移動平均線のベースとなる数字は20という風に考えています。それベースでいろいろ、増やしたり・減らしたり、ということを考えるんですが、今回増やした値というのが80になっています。80が長期線のパラメーターの値になっています。

これはなぜかというと、今1時間足ですよね。1時間足の20というのを短期線にしているわけですが、4時間足の20という移動平均線を同じチャートに表示したかった、ということなんですよね。

1時間足の中に4時間足のインジケーターを表示しようと思ったら、移動平均線の場合はパラメーターを4倍すればそれが実現される。今回は、ベースが20ですので、これを4倍にした80というインジケーターのパラメーターを採用することで、4時間足の20SMAをここに表示することが出来ているということですね。

1時間足の20SMA、4時間足の20SMAが、それぞれ短期線・長期線の役割を果たす、っていうことです。

トレンドを認識してエントリーする

これでもってトレンドを認識します。トレンドを認識することによって、その順張りをしたいということなんです。

この…例えばこのエリアなんか見ていくと、赤い線が上・黄色い線が下になっていますので、ここは上昇トレンドという風に見ることが出来ます。

上昇トレンドの中にあって、先程の買いのトリガーが出ているところを狙っていきたいということです。

まあ、見るポイントはこの移動平均線同士の順番も1つそうなんですが、更にもう1つ、「ローソク足が黄色い線を下回っていない」というのも1つ、条件としています。

 

まとめると、移動平均線が赤い線・黄色い線の順番になっている、というのが上昇トレンドの条件ですね。

買いの条件をまとめると、赤い線が上・黄色い線が下にある、ということ。それから、ローソク足が黄色い線よりも上にある、ということ。それから、RCIの先程の条件ですね、RCIが「-80」から「-80以上」まで抜けて引けたところ。

 

だから、例えばここなんかエントリーポイントですね。ここはロングのエントリーポイントということになります。で、この辺で決済ですね。ここから持って、ここで決済…というイメージです。

ここは…ここもギリギリOKですね。終値が黄色い線よりも上に出ています。赤い線が黄色い線よりも上にあります。RCIが「-80以下」から「-80以上」のところまで戻っているので、ここでロングエントリー、そしてここで決済、ということですね。

こんな感じでロングはやっていきます。

 

ショートは逆ですね。

逆は逆なので、敢えて説明しませんけれども、そんな感じでやっていきます。

 

RCI、前回もお話ししたかと思うんですが、どれだけ陰線が続いているか・どれだけ陽線が続いているか…正確には、その陰線が多い割合を占めている期間が有るか・無いか、ってことですよね。要は時間だけに注目したインジケーターなわけです。

ですから、RCIが振れているというのは、実際に価格が下がっていなくても良いわけです。陰線の割合が多い…長い時間下げていれば良いわけですね。

ですから、この「長い間下げているけれども価格があまり下がっていない状況」というのが起き得るわけですよね。

「RCIは低い値をとっているけど、実際には大して価格が下がっていない」っていうことが起きるわけです。

そういったところで買いエントリーを狙っていきたい、ということです。なぜなら、売り勢がそういう場面においては弱気になっている可能性が高いからです。

 

なので、今回、フィルターとして移動平均線を使いましたけれども、このことの狙いというのは、まず、

・「そもそも上昇トレンドである」ということを確認したい

・上昇トレンドの中で買いエントリーをしたい

そして、

・RCIを下げている

…つまり長い期間売りポジションを持っている人が存在するけれども、その人達の利益が十分に出ていない。

しかも元々あったこの上昇トレンドというものを覆すほどの値動きが起こせなかった。つまりそれは移動平均線…黄色い移動平均線をローソク足の終値が下抜けることは出来ていないことをもって、それが判定出来るわけです。

長い時間売りが続いていたけれども、この売り勢が利益を得ることが出来ていない、弱気になっているポイントにおいて、上昇トレンド継続に賭けて、ロングエントリーを取りたい…という、そういう狙いから今回のロジックを作っています。

 

何度も言いますが、売りは敢えて説明しないですけれども、ロング・ショート共に、元々あったトレンド方向にエントリーをすることを狙っている。

RCIは振れているけれども、実際の値動きが起きていないので、逆張り勢が不安になっているところで、順張りで仕掛けていく…というようなことを狙ってエントリーしていきます。

 

はい、トリガーは基本的に変わりません。何度も言いますが、「移動平均線を足した」というところだけが違うところです。

バックテスト開始

では早速見ていきましょう。期間はいつものように2016年から2018年の3年間でやっていきます。ドル円のチャート、1時間足を使っていきます。

それでは見ていきましょう。

ローソク足にしてグリッド消して、RCIを出して…パラメーターは8ですね、前回と一緒です。移動平均線を出します。80が長期線、20が短期線ですね…。

はい、ではやっていきます。1~2個ポジションを見た後に、早回しで見ていこうかなと思います。

 

今なんかは赤い線が下・黄色い線が上になっていますよね、メインチャート。こういうところは下降トレンドですので、この状態の時はRCIが下振れして、この後上に上がって来てもロングエントリーは取りません。

この後上がって来て…すぐ上に上がってきますからね。今入りましたよね。これで1回上で引けてから、あ、ショート入りましたね。

…こんな感じです。どんな感じかというと、さっきから確認していたんですが、赤い線が下・黄色い線が上、これで下降トレンドですよね。

今、終値ここだったんですが、黄色い線よりも下に来ていますね。この状態でRCIを見て欲しいんですが、「80以上」のところから「80以下」に下がって引けました。引けたところで、次の足の始値でショートエントリーをしていきます。

 

この状態で保有していくんですが、このRCIが今この辺りにいますけれども、これが「-80」よりも下回って引けたところで、このショートエントリーは決済になります。

それ以外に決済ロジック無いので、この成行だけですね。逆指値とか指値とかは入れていません。

だからもう本当に、何度も言うようですが「移動平均線を足しただけ」という状態です。

見ていきましょう。

 

はい、決済入りましたね。ここでエントリーしたんですが、このあとRCIがグーッと下がっていって、「-80以下」でローソク足が引けたので、ここで決済です。

こんな感じですね、ショートエントリーに関しては。

ロングエントリーも見ていきたいんですが、見れるでしょうかね…。見られるでしょうか?

 

…まあ基本的に前回のRCIだけを使ったトレードにフィルターを足しているということになるので、エントリーの回数は間違いなく前回よりも減ります。

その「減らす」という…まあ「フィルターを掛ける」という言い方をしますけれども、それが正しい方向で行えているのかどうか、というのを確かめたいところですよね。

後で、「RCIだけ使ってトレードした場合」…その時の検証データって残っていますから、それと、今回のトレンド方向を見極めるフィルター、つまり「移動平均線を足した今回のテスト結果」とを比較するような時間も設けようと思っていますので、その辺もちょっと楽しみにしてもらいたいな、と思います。

フィルターは少なめが良い理由

フィルターを足すにあたって、あまりいきなり沢山足さないんですね。いつもそういう風にやっているんですが、なるべくフィルターは少ない方が良いです。

いろんな理由があるんですが、単純なところで言うと、やっぱりエントリーの機会って、期待値がプラスで同じ値だったら、その同じ期待値を持つトレードってなるべく多い方が、資金を増やす力はあります。

フィルターはあまり多く掛け過ぎると、トレードの回数が少なくなっちゃうので、それだけでお金を稼ぐ能力というのは減っていってしまうわけです。ですから、「不必要なフィルターは掛けない」という意味で、フィルターを付けると正確さが増すようにも思えるんですが、なるべく少ないフィルターで高い期待値を実現出来るのであれば、それに越したことはない、ってことですね。

 

あとは、フィルターを足すにあたって、フィルターを足すには結果を見てフィルターを足して…ということをしているわけですね、プロセスとして。

この「結果を見てフィルターを足す」っていうことは、ある種、いわゆる「最適化」という作業なんですよね。

この最適化というのは、要するに過去データにフィッティング…「合わせる」っていうことなんですよ。

過去データの結果を見て、それに合わせて手法を作る。それでまた過去データを見て、それに合わせて手法を作る…っていう、回数はなるべく少ない方が良いです。

なぜなら、そうやっているうちに、過去データに合わせ込んだトレードになっちゃうんですよ。

この合わせ込み方が、あまりタイトになり過ぎると、本当にその今使っている過去データ野中でしか勝てないようなトレードになっちゃうんですよね。

これを、また別の機会で説明しますけれども、「オーバーフィッティング」って言います。「合わせ過ぎる」ということです。

過去データの中…今採用している過去データの中でしか勝てない。つまり、未来の相場も過去と全く同じように動いてくれないと勝てないようなトレードになってしまうんです。

だから、「あまりフィルターは、掛けまくって、そのフィッティングをタイトにし過ぎない」というのが1つ、このシステムトレードを作る上で、凄く重要だったりします。

そんな意味で、僕は、フィルターでがんじがらめにするようなトレードはあまりすべきではない、という風に思っている立場です。

 

…そんな話をしているうちに、ロングエントリーが見られるかなと思ったんですが、なかなか取らないですね…。

あ、これ、もうちょっとしたら取るかもしれないですね。

今、移動平均線が順番入れ替わりましたよね。RCIがもう下に下がってきますよね…。

ちょっとしたことで上に行ったり下に行ったりするので、もうちょいですかね…これ引ければ、上がってきて…。あらら。

これは下がり過ぎなわけです。この、上がってくる時に…ダメですね。何でダメかというと、黄色い線より下だからですね。

こういう場面ではエントリー出来ません。もう1回伸びて・下がって、という動きがあればロングエントリー出来るんですが…。残念、今度平均線が下に行っちゃいましたね。

もう1段階グッと上に上がるような動きが無いと、ちょっとロングエントリーは取れないですよね。

だからこそ良いのかもしれないですが、それはちょっと結果を見ないと分からないんですけど…。

こういう感じでフィルターは掛かっていきます。

うん、そんな感じですね。

 

…今、念願のロングエントリーがされたので、解説したいと思います。

ショートの時と逆になっただけなんですけど、赤い線が上、黄色い線が下ですね。この状態でローソク足が黄色い線よりも上を保ちつつ、RCIが「-80以下」のところから「-80」よりも上のところに越えてきたわけですよね。

この、いわば、点線とゴールデンクロスを見せるような形になったわけです。

これを見た次の足の始値でエントリーをする、ということですね。それが今、されました。

今、RCIが既に1回上がって…ああ、下がって来ちゃいましたね。このRCIが80よりも上でローソク足が引けたところで決済が入ります。

 

…はい、買いエントリー、決済入りましたね。

これは、さっきエントリーしたところについては解説したんですが、この…ここか、この辺りだったんですよね。

このポジションが逆行しているんですが、その後、RCIが80以上のところでローソク足が引けましたので、ここで買いポジションが決済されました。

あとは早回しをしながら見ていけば良いかな、と思います。

 

…はい、3年分のデータでバックテストが終わりました。

結果はどうなったでしょうか? フィルター、上手く効いていると良いですけどね。

グラフ…うん、プラスで終わりましたね。少なくとも前回、RCIだけでやった時には損失で終わっていたので、それよりは良い結果が出たというのがまずこの段階で分かりましたよね。

レポート確認

レポートを見ていくんですが、勝率が高くなっていますね。

勝率が高くなっています、66%。前回64.何%かだったので…まあ後で比較しますけれども、勝率がちょっと改善されている。

 

リスクリワードレシオに関しても、ちょっと改善されていますね。

大きく逆行しそうな場面…つまり無理な逆張りっていうのが、多分今回のフィルターによって弾かれた、ということだと思うんですよね。

それによって、大きな損失というのが省かれているのではないかな、という推測が立ちます。

 

これをQuant Analyzerで比較グラフを見てみると、こんな感じになります。

グラフの内、赤い線が今回のフィルター付きで検証したRCIのトレード、青い方が移動平均線のフィルター無しでRCIのみでトレードしたグラフですね。

基本的なグラフの形はあまりあまり変わらないんですね。あまり変わらないんですが、凹む場面…つまり下向きにグラフが伸びる場面の伸び方というのが全然違いますよね。

 

つまり、この移動平均線をフィルターとして使うことによって、元々あったトレードのダウンサイドリスクって言うんですかね、「負ける時の負け方」が緩やかになっている、というのが今回の改善の効果だと思います。

それはなぜかというと、自分に有利なトレンドの時のみ、RCIを使ってエントリーすることによって、大きく負ける…トレンドに逆らって無理矢理トレードするような無理な逆張りのエントリーを省くことが出来るんですね。

それによって、勝率もそうですし、実際のこの資金のグラフも改善されている、ということだと思います。

 

そうか、勝率、一応上がったかどうか、今…。「確か」っていう話でしていたので、確認したいと思うんですが…。

RCI単体でトレードした時には、勝率が64.65%だったんですね。リスクリワードレシオが0.53だったんですね。こんな感じのトレードだったんですよね。

「Expectancy」という、この期待値が-0.37ドルだったわけですが、これが今回移動平均線をフィルターとして使うことによって、勝率は66.25%に改善された、と。

それからリスクリワードレシオは僅かではありますが0.57に改善されているということですね。

期待値がマイナスからプラスに転換している、という今回のトレードでした。

 

あくまで、移動平均線を足しただけです。

本当に単純で…まあ「粗削り」って言い方もあるのかもしれないんですけど、本当それだけでこれだけの改善が図れるので、RCIそのものがかなり有能なツールなんじゃないかな、ということが推測出来ますね。

 

こんな感じで、今回物凄く簡単な改善を入れただけなんですが、これだけのことでこれだけ改善するので、もしかしたらもっと良いやり方ってあるのかもしれないです。

その辺のところは、皆さんの方で是非、これをベースに研究してみてもらいたいなと思います。

そんなところで、今回の検証は以上になります。

まとめ

はい、如何だったでしょうか?

RCIを使ったトレードを今回、それでもかなりシンプルなものを考えてみましたけど、割と見込みがある、そんな検証データになったんじゃないかな、と思います。

僕が考えるRCIの正しい使い方というのは、今日お見せしたようなスタンスです。

つまり、RCIは何が一番特徴かというと「値幅を計算要素として取らない」ということなんです。

だから、RCIだけが下げている場面、あるいはRCIだけが上げている場面、というのを狙って「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」に対する逆張りを仕掛けることによって、利益が出やすくなるということなんですね。

 

もうちょっと詳しく説明をすると、例えば上昇トレンドにおいてRCIだけが下げている場面、つまりRCIは低い値をとっているけど値幅はさほど下がっていない、という場面というのは、長い期間にわたって売り勢力は頑張ったけど、価格はそんなに下がらなかった…つまり、売り勢力が物凄く弱気になる場面なんですね。

こういった場面で、この売り期間が終わりを見せようとしている、つまりRCIが反転を見せようとしている場面というのは、買いの場面としては、つまり売りが弱気になっているところで買いを仕掛けることが出来るので、その後大きな上昇に繋がりやすいんじゃないか? と…そんなことで今回ロジックを組んだわけですが、検証結果はご覧の通りですね。

まだまだ粗削りなロジックではありますけど、この後、大いに期待の出来る、そんな資産曲線になったのではないかな、と思います。

 

あとは、皆さんの方で今回のロジックをベースにしながら、良い手法を研究していってもらいたいな、と思うわけですけれども、僕の方でもRCIはこれからも継続的に研究していこうと思っています。

あとは、今回RCI単体を見て正しい使い方を考えてみたわけですが、その他にも、ストキャスティクスとかRSIとかあるわけです。

つまり、売られ過ぎ・買われ過ぎというものを判定するインジケーター、パッと見似ているインジケーターというのはあるので、この辺の使い分けというか、それぞれどういうところが得意でどういうところが苦手なんだ、みたいなことも含めて、もうちょっと深掘りして解説するような動画を撮っていこうと思っています。

 

そして、その中で、それぞれのロジックを一緒の…その他のRCI・RSI・ストキャスティクスという、使うツールが別である点は除いたところで、同じ条件でトレードすることによって、RCI・RSI・ストキャスティクス、これらを比較するような検証動画もこれから撮っていこうと思っていますので、こちらも是非楽しみにしていてください。

 

そんなところで、今回のRCIの使い方、ロジックを考える動画は以上です。

今回の動画が少しでも勉強になった・役に立ったと思っていただけた方は、チャンネル登録・高評価を是非よろしくお願いします。

 

それでは皆さん、ごきげんよう。