【検証】RSIを誰もがやってる使い方で検証してみた結果・・・

今日は、RSIを使った鉄板トレードの検証をしてみたいと思います。
誰もが一度は聞いたことがあると思うんですが、こういう手法、
「RSI 70超えたらショート、30下回ったらロング」
これ、鉄板トレードですよね。
この鉄板とされているトレード、僕も初心者の時はこのトレード手法を見た時に、「これは勝てるぞ!」「すげぇな!」と思って、一生懸命やっていた…そんな記憶があります。
だけど、よくよく考えてみると、「これは勝てるぞ」とか「凄いぞ」って思うのに、大した根拠は無いんですよね。
誰かが「勝てる」と言ってるからとりあえず信じてやってみた…そんな感じだったんですね。
トレードする上で大事なこと、これは、「ちゃんとデータを取ってからやること」です。
「これは良さそうだな」と思ったことでも、誰かが「良いよ」と言っていることでも、それを鵜呑みにしてやるのではなくて、ちゃんと手元でテストをする、数字を取る。
そこからちゃんとした確信を得る。
ちゃんと確信を得ることによって初めて、自分のトレードに採り入れることが出来るんですね。
それが、トレードを生涯にわたってやっていく上で、非常に大切な、正しいアプローチだと言うことが出来るんですね。
今回は、その正しいアプローチがどういうものかを皆さんにご覧いただく、という意味で、
この鉄板とされているRSIの手法を、僕がシステム化して、皆さんの目の前でバックテストをしてみたいと思います。
ただ、このバックテストをする前に、「そもそもこのRSIがどういうインジケーターなのか」についてちゃんと理解していない人も多いと思うので、これについて簡単に解説していこうと思います。
このRSIという指標ですけれども、Googleなんかで調べてみると、一見「複雑そう」に見えます。
実際はそんなこと無いんですけど、この「複雑そう」さ故に、このRSIというものをちゃんと理解せずに、「何となく」で使い続けている人って結構多いんですね。
だから、このRSIについて今回簡単に、「どういう計算をしているのか」「何を表した指標なのか」というのを簡単に解説してから、それから検証に進んでいこうと思います。
このRSIですけれども、有名なのは70とか30という値です。
これ、厳密には70%、30%…単位が「%」なんですね。
単位に%を取るということは、このRSIという指標は割り算によって出された数字なんですね。
「では何と何を割り算するのか」という話なんですが、これは分数で表すとすると…割り算って分数に出来るので、
・分子に「値上がり幅の合計」を取ります。
・分母には「値上がり幅と値下がり幅の合計」を取ります。
…もうちょっと詳しく言うと、RSIというのはパラメーターとして14を取ることが多いと思うんですが、これは「ローソク足14本分の期間、観察しましょうね」という意味です。
分子の計算に入ると、14日間…14本のローソク足のうち、上がったローソク足だけをカウントするんです。
この上がったローソク足だけを抽出して、「そのローソク足がどれだけの値上がり幅を持っているか」を全部集計していくんですね。それを足し合わせる。
足し合わせた結果が、分子に行きます。
分母の方は、今求めた値上がり幅だけではなくて、値下がり幅もカウントしますので、この14日間、14本のローソク足の中で、値上がりを見せなかったところ…つまり下がったローソク足ですね、その下がり幅を全部足し合わせるんです。
この、足し合わせた値下がり幅と値上がり幅、これ、符号を無視して両方プラスとして考えて、足し算するわけですね。
すると、絶対に分子の方が分母より大きい値を取ることが無いので、この計算結果として出る数字は必ず0~1までの間の値を取るわけですね。
これを%表示したものがRSIということになるわけです。
こういった計算式の性質上、値上がり幅・値上がり日数が多くなればなるほど、RSIの値は高くなりやすく、値上がり幅・値上がり日数が少なくなればなるほど、RSIの値は小さくなっていきます。
ただ、このRSIという計算の性質から、これ、極端に高い値・極端に低い値というのは、なかなか取りづらいわけですね。
実際に手元で計算してもらえれば分かると思うんですが、本当に「連日連日上がり続ける」とか「連日連日下がり続ける」とか、そういったこと…あるいは「極端に大きく値上がった日がある」とか、そういった特殊な事情が無い限り、例えばRSIが「90を超えて来る」とか、あるいは「0に極めて近い値を取る」とか、そういう極端な値というのはなかなか取らないわけです。
そういった意味では、もうちょっと感応度の高いストキャスティクスなんかのオシレーターに比べれば、この、いわゆる「張り付き」…「上に高い値を取り続ける」「低い値を取り続ける」っていうことが取りづらいので、一般的にはRSIというインジケーターは、「騙しの少ないオシレーター」だと言われています。
その、「張り付く」「張り付かない」ということだけをもって「騙しが少ない」「騙しが多い」っていうこの指標にするのもどうかと思うんですけれども、まあこの辺りは、実際に検証することによって見えて来る部分もあるかと思いますので、まずはとりあえず検証に入っていこうと思います。
では、それではいつものように、モニターを見ながら解説・バックテストをしていきますので、付いてきてください。
はい、これからRSIの検証をします
まずはトレードルールの確認からです。こんな感じですね。
テスト期間は2018年の1年間。採用するタイムフレームはドル円の1時間足、これでやっていきます。
RSIは70以上でショートエントリー、30以下でロングエントリーをしていきます。
決済は上下30pipsずつでOCOを掛けていきます。
ポジションは1つまで。同じ方向は1つまでのポジションにします。両建てすることはあっても、同じ方向にポジションを複数持つことはありません。
…そんな感じですね。
RSI検証スタート
では、始めましょう。ここですね、ストラテジーテスター、RSI検証のEAを回します。
ドル円ですね、期間が1時間足、スプレッドは1.0ですね、全ティック利用します。
期間がこの1年間ですね、ビジュアルモードで見ながらやっていきましょう。
RSIは一応表示しておきましょう。ローソク足にして、グリッドは消します。
では始めます、用意、スタート。
始まっていきなり負けましたね。
…ああ、また負けましたね。
あ、初めて勝ちました。
こんな感じで、チャートを見ながら、どんな感じの雰囲気かっていうのを見てもらえればいいかなと思います。
今回は、オシレーターだけの表示ですので、ちょっと上のメインウィンドウが寂しい感じではありますけれども、実際にトレードする時はRSIだけでトレードするっていうのはなかなか無いと思いますので。
今回、分解練習的な観点から、RSIだけを表示して、RSIだけを使ってのトレードというのをやっていますけれども、まあ今回の結果はどうなるか分からないんですが、RSIのこのトレード…RSIだけを使ったトレードの結果とかね、この勝ち負けの雰囲気を見て、どういうものを足したら良いかな…とか、そういうのを考えてみると有益かもしれません。
一応、これ、動画を作成する必要上、ビジュアルモードっていうモードを使ってトレードをしています…トレードというか、検証をしています。
「ビジュアルモード」ってここにチェックが入っているってことなんですが、これは、ここにチェックを入れるとどうなるかというと、ここにチャートが実際に動きながらバックテストをすることが出来るわけです。
もしね、このチャートを見ながらバックテストをしなくて良くて、「結果だけ早く分かればいいよ」っていうことであれば、このビジュアルモードっていうのは表示する必要が無くて、まあ今から変えることは出来ないんですけど、テスト前にこのビジュアルモードのチェックを外しておくと、チャートがこの目の前で動かない代わりに、テストの結果自体をもっと早く知ることが出来る、というようなことも出来ます。
まあ知っている人はもうとっくに知っていると思うんですけれども、一応、そんな2つのモードがあるんだよ、ということを知らない人は押さえておいてください。
例えばね、いろんな調整をする時には、ビジュアルモードというのは使わないですね、普段。
ビジュアルモードを使うのは、新しいシステムを初めて作って、ちょっと自分の思った通りに動作しているかどうかが自信が無いような時…そんな時にビジュアルモードでやっておくと、「こういう時に買って欲しい」「こういう時に売って欲しい」というイメージと実際にこのヒストリカルデータの中で売買されているこの様子がちゃんと合っているか、というのを確認出来るわけなので、そんな感じで動作のチェックの意味で、ビジュアルモードというのを使うことが多いかなと思います。
冒頭で、RSIのこの計算式について簡単に説明したんですけれども、やっぱりストキャスティクスなんかに比べると、上振れ・下振れの頻度がそもそも少ないですし、その上に振れる…つまり「70を超える」とか、下振れ…「30を下回る」とかね、そういう時でも、「ギリギリ超える」とか「ギリギリ下回る」みたいな、その程度ですよね。
上に張り付いちゃう…これ一番上は100なんですけれども、100にめちゃくちゃ近付くっていうのはほぼ無くて、それは最初に説明した計算式の性質上仕方無いことなんですけどね。
もう本当にひたすら陽線が続く、あるいはめちゃくちゃ長い陽線が出る、とかね…ひたすら陰線が続く、めちゃくちゃ長い陰線が出る…っていうことが無いと、上とか下にがっつり張り付くっていうのは、もう滅多に無い、そういう指標になります。
これがストキャスティクスになっちゃうと、何て言うんですかね…ローソク足のこの対応みたいなのがあまり関係無くて、ストキャスティクスというのはもう「過去の最高値・最安値に対して、現在値がどうなっているか」っていうことだけで出ますので、もう今の足がポンと上がれば100に極めて近くなりますし、今の足が大きく下がればね、かなり0に近い値を簡単に取ってしまう、っていう、そんな性質もあります。
もちろんパラメーター次第っていうのもありますけどね。
ようやく半年終わったところですかね。
あ、ちなみに、今回言うの忘れちゃったんですが、赤い点線がショートエントリーの軌跡というか、跡ですね。青い線がロングエントリーが行われた場所を表しています。
その両端の三角形みたいな、矢印みたいなものが、エントリーポイントと決済ポイントを表す矢印です。
このRSIっていう指標を作った人がワイルダーさんって言うんですけど、ワイルダーっていう人は本当にいろんなインジケーターを作っていて…開発していて、このワイルダーさんが作ったインジケーターっていうのが物凄く沢山MT4には初期導入されているんですね。例えばATRとか…。
RSIの値上がり幅とか値下がり幅とかのカウントの仕方っていうのは、覚えておくと、さっきあまりちゃんと説明していないですけど、別の動画で説明しようかなとも…気が向いたらやろうと思うんですが、RSIのこの幅の測り方っていうのは、ATRなんかの幅の測り方とちょっと似ているところがあるので、「ワイルダーさんは、値動きというものをこういう風に捉えるんだな」っていうのが、複数のインジケーターを勉強すると分かったりとかしますよね。
…あまり話が深まらないうちに、バックテストも終盤なので…、また改めて別の動画で話が出来ればと思います。
検証終了
はい、テストが終わりました。結果を見てみようと思います。
あまり…チャート見ていたら分かると思うんですが、期待出来そうもないですね。
少なくともこのチャート、映っている範囲では、勝ちが1つもありません。全部損切りですね。4連敗。
さあ、どうなったでしょうか? グラフを見てみましょう。
うん、意外に健闘したな。だけどマイナスか…正直予想より良かったですね。
うん、こんな感じだと、「もうちょっといろいろ試してみても良いかな」と思わせるようなグラフの形になっていると思います。
「いろいろ試す」というのは、分かりやすいところで言えば、「もうちょっと長い期間回す」とかね。
あるいは、今日本当にRSIだけで売買判断を行わせているわけですよね、RSIしか表示していないんですけど、他の指標とかね、他のこういうフォーメーション的なことは何もシステムのロジックには組み込まれていないので、何か足すことによって勝てるシステムになるのかもしれないし、その辺は分からないので、いろいろやってみる価値はあると思わせるような形ではあると思います。
今回は、一応最初に決めたルールで検証をする、ということになっていますので、このくらいにしておきますけれども、何となくもうちょっと見てみたいような形はしていますよね。
もうちょっといろいろ見てみると、1年間で161回のトレードですね。
勝率が5割ちょっと切ったぐらいですね。
勝ち負けは、平均は…まあ幅は30pipsって決めているので、大体同じになりますよね。
ドル建てなので、ちょっとズレちゃうんだと思うんですけど。
勝率はちょっと足りない分だけマイナスになっちゃった、というイメージだと思います。
正直、「もっとボロカスに負けるかな」と思ったし、何となくこう、早回しで見ている感じもかなり負けているように見えたのでちょっと意外でした。前半、結構勝ったんですね。
この年は、年末に大きなトレンドが出ましたよね、下げトレンド。
そこでやっぱり、まあ今見えている範囲もそうですけれども、負け続けちゃったので、一旦こうブワッと上げた後に、年末にこの損益分岐点から下に行ってしまった、というような感じになりました。
いろいろ見てみる価値はあるような、そんな印象はあります。
やっぱりストキャスティクスの検証なんかもしたことがあるんですが、良い結果ですね。
この感応度の低さですよね…騙しが出づらいっていうところで、RSIはストキャスティクスよりは逆張りの指標としての信頼性は高いのかもしれません。
まとめ
はい、如何だったでしょうか?
今回のテスト結果、「意外に踏ん張ったな」という印象です。
というのも、僕は普段いろんなシステムを作っているんですけれども、逆張りの手法というのは大体全然勝てないことが多いんですね、ボツになってしまうことが多い。
まして、今回はRSIのみ、しかも決済ロジック皆無ですよね。
「上下30pipsずつのOCOを置くだけ」というめちゃくちゃシンプル、もう悪い言い方すれば「いい加減」みたいな感じになっちゃうんですが、そんなロジックであるにも関わらず、年の大半をプラスで過ごしていた、と。
年末にガンと落ちてしまったので、最終的な損益はマイナスになりましたけれども、結構頑張っていましたよね。
なので、まあストキャスティクスなんかに比べると「騙しが少ない」と言われるこのRSI、そういった点においては、もしかしたら、今回のテストだけを見れば本当なのかもしれないな、というような推測が出来ます。
あとは、折角こういうテストをしたので、このテスト結果を元に、いろいろアイディア出しをしてみて、どういったものを足すか、あるいは引くか…まあ「引く」もほぼ無いですけど、もはや。
…どういった考え方を更に採り入れることによって…何かしらの考え方を更に採り入れることによって、より有用なシステムを生むことが出来るかもしれません。
まあ、今後もいろんな開発とか検証とかをしていきますので、何か進展があったら、こちらで皆さんにシェアしたいと思います。
ということで、今回は「RSIの検証」という動画でしたけれども、ここまでです。
今回の動画がもし少しでも役に立った・勉強になったと思った方がいらっしゃったら、高評価とチャンネル登録、是非よろしくお願いします。
それでは皆さん、ごきげんよう。